久しぶりに訪れた湖北菅浦。
菅浦(滋賀県長浜市)2023.03.11 10:34am Sony α7S2 FE2.8 16-35 GM
季節ごとに様々な表情で出迎えてくれる菅浦だが
この時期は拍子抜けするほど何もない。
いや、あえて出迎えてくれたといえば、
湖畔の八重桜の枝にわずかに膨らんだ蕾くらい。
その枝越しに静かに寄せる琵琶湖の波を眺めながら
ふと思い出した映画のワンシーンがあった。
それは菅浦がロケ地となった「男はつらいよ」の第47作「拝啓 車寅次郎様」で
寅次郎(渥美清)がマドンナ役の典子(かたせ梨乃)に出会うシーンだ。
典子は都会に住む主婦で写真が趣味。細々と貯めた小遣いで撮影の旅に出ることを生きがいにしている。
菅浦の湖畔で撮影を楽しむ典子に寅次郎が声をかける。
寅次郎: ナニ写すんだい? 水ばっかりで何もありゃしねえじゃねえか。
典子 : 何もないからいいのよ。 ただ水と光だけ。
寅次郎: へえー。 そういうもんかねえ。
そう、水と光だけ。
けれども、その中には
向き合った人だけにしかわからない空気の香りや季節の気配、
そして穏やかに流れる時間が潜んでいるのだ。
まだ3月も前半というのに、この日の陽気は4月中旬並みだったとか。
その陽気に誘われて。そしてあり余る時間をふんだんに使いながら
湖北、越前海岸と撮影旅を楽しんできた。
その道中、車内に流れたロイ・オービソンの艶やかな声が
旅の終わりまで心に残った。
A Love So Beautiful Roy Orbison
あれから30年ほど経っていますが
菅浦の景色は琵琶湖はもちろん集落も
ほとんど変わっていません。
菅浦を訪れてその余韻を47作で楽しむ。
そんなことが5年以上も続いています(笑)
>沢山のものがいっぱいでした
そうですね。
平均すると2か月に一度。
やがて10年ほど琵琶湖通いが続いています。
いつも同じような写真ばかりですが
またいつでもどうぞ。
歩いていると汗ばむくらいの陽気でした。
菅浦でいい時間を過ごせました。
寅さんの47作は滋賀が舞台。
菅浦のほかにも余呉や長浜の風景も出てきます。
もう30年近くも前の映画ですが
驚くほど風景が変わっていません。
原風景とも呼べる景色を楽しんだ次第です。
「男はつらいよ」の第47作も見ました。かたせ梨乃さんがチャーミングでしたね。
琵琶湖は、いや近江路は四季折々に訪いましたが、
いずれも期待通りでした。私には何もないどころか
沢山のものがいっぱいでした。無一物中無尽蔵の世界
です。
それではまた。今宵これにて。
昨日は、暑かったです。
菅浦あたりだと、少し寒くなかったですか?
9日にマキノ行った時、マキノは私らのところより寒いねえって友達と。
寅さん、あそこまで撮影にこられたんですね。知らなかった~
何もないけれど、そこが菅浦のいいところだと私も思います。
水もきれいで、ちょっと同じ琵琶湖でも違うなって。
しかし、つづらお荘がなくなったのは悲しすぎます。