結構、読むのに時間が、
かかってしまいました。
ただ集中して読める時間が、
余りとれなかったことも、
大きな理由ですが、
少しずつゆっくり読んでいっても、
話に楽について行ける
そんな物語でした。
優しい父、亡くなった美くしい母、
弟、春と、兄、泉水。
血のつながりは半分だけ、
でも、僕とお兄ちゃんは最強。
血のつながりなんかどうでもいい
最強の家族の話。
春は初めて洞窟壁画を描いた
ホモサピエンス、
つまりはクロマニヨン人の末裔。
クロマニヨン人って、
この本より、一つ前に読んだ
【四度目の氷河期】(荻原浩)の主人公の
父親もクロマニヨン人??
偶然の一致!!
重力ピエロとは
ピエロが空中ブランコから飛ぶとき、
みんな重力のことを忘れる。
楽しそうに生きていれば、
地球の重力なんて
消えるということ。
遺伝子なんて関係ないし、
血のつながりなんていうものも関係ない。
春の父を思う、重力の消えそうな行動も
ほほえましく感じます。
父親が発する最高のせりふ、
「おまえは俺に似て嘘が下手だ」。
ここの場面はいいです。
泣けます。
内容はとても深刻なのに、
どこか気の抜けたようにふんわりと軽く、
タイトルの「重力ピエロ」の様に、
重力に逆らい、
底に漂う、深刻さ、非情さを、
置き去りにしてしまって、
余り思い起こさせることもなく、
不思議なくらい、表面的にはさわやかさが、
残っていました。