監督は若松節朗。
映画も3時間22分のかなりの長編、
でも、時間はそんなに長くは、
感じられませんでした。
途中休憩が10分あるなんていう、
映画もはじめてです。
主演は渡辺謙、
彼が「国民航空」労組委員長・恩地を力演。
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三浦友和、石坂浩二等が共演。
労組委員長・恩地(渡辺謙)は、
労使交渉に対する、報復人事によって、
海外勤務を命じられ、
僻地から僻地へと、
転々と勤務地の変遷を、
繰り返していくこととなる。
本来は役員となって、
会社を背負っていくべき人間であるのに…。
そして子供までもがいじめの対称になって、
子供心にお父さんは、
悪いことをしたんだと思ってしまう。
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冒頭から、御巣鷹山に墜落した、
ジャンボ機のシーン。
時間軸が複雑になっているので
頭が混乱することも。
事故によって、
もう永遠に会うことはかなわない、
愛する家族。
遺族の深い悲しみに胸がふさがれ
涙、涙…。
特に宇津井謙一家のエピソードは、
あまりにも悲しすぎます。
とにかく、長時間にわたり、
遺族一人一人の話をするので、
見るものとしては
かなりのつらさがあります。
3時間半涙が乾くことはないほどでした。
労働組合と御巣鷹山事故の話で
映画は大半を占めています。
会社の遺族に対する対処の仕方、
被害者遺族を前にして、
誠意のみられない会社。
放漫経営、海外でのホテル買いあさり、
暗躍する政治家達…。
そんな中での新しい会長就任。
安全重視と、
疲弊しきった会社の健全化を、
目指すがこれも挫折。
腐敗した会社内を立て直すべく、
立ち上がり、自分の意志を最後まで貫いた
男の生き様を描いた作品。
見応えがあって、
ラストまで緊張感が、
途絶えることのない映画でした。