花ごよみ

映画、本、写真など・

フォルトゥナの瞳 百田尚樹

2015-03-28 | 本 な、は行(作家)

フォルトゥナの瞳

他人の未来の死が、
見えてしまう瞳を持つ主人公。

彼に課せられた運命は
あまりにも残酷。
見知らぬ人の運命を変えると、
自分の体に負担がかかってしまう。

見えなければ気にならないのに…
心優しい主人公は
見て見ぬふりなんて出来ない。

大事故を予見してしまってからは、
深い苦悩から抜け出せない。

主人公の心の揺れが切ないです。

素朴で純真な彼にとって
選択肢は限られています。

結末を知りたい気持ちを
グッと我慢して読みました。
なんとかいい方向に
向かって欲しいと願いながら…
読み進めていくのが怖かったです。

最後のエピローグにはびっくり。
この物語の救いなのか、
それとも彼女は弱くてずるい女なのか…
虚しさが後々まで
残ってしまう物語でした。




コメント (4)
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掟上今日子の備忘録  西尾維新

2015-03-28 | 本 な、は行(作家)

掟上今日子の備忘録

第一話 初めまして、今日子さん
第二話 紹介します、今日子さん
第三話 お暇ですか、今日子さん
第四話 失礼します、今日子さん
第五話 さようなら、今日子さん

寝ると記憶がリセットされてしまう、
忘却探偵、今日子さん。

依頼人である隠館厄介くんは
いつも事件に出会ってしまい、
疑いの目でみられてしまう不運な青年。

彼は密かに今日子さんに
好意をもっています。

二人の組み合わせが
事件を解決します。
厄介くんが巻き込まれてしまった
四つの事件から成る短編連作です。

今日子さんも厄介くんも、
嫌みのないキャラクターで
魅力があります。

割と暗さを感じない、
からっとした探偵物。

一日で解決に導く今日子さん
謎解きも面白く読めます。

今日子さんが寝る前に
事件を解決する必要があるのです。

隠館厄介くんは
今日子さんに会うたび自己紹介します。
いつも最初は自己紹介というのも
結構切なさがありますが…
二人の関係の進展が気になります。

読んでいてこちらの気分も
リセットされます。
一日で全ての記憶が
なくなってしまうという設定は
物語にスピード感を持たせます。
読みやすい小説でした。







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