花ごよみ

映画、本、写真など・

昨日がなければ明日もない  宮部 みゆき 

2019-03-10 | 本 ま、や行(作家)

昨日がなければ明日もない

「希望荘」以来2年ぶりとなる
杉村三郎シリーズ第5作目の作品。
3つの中篇からなります。

テーマは「杉村vs.〝ちょっと困った〟女たち」
いつもながら読みやすい物語でした。

「絶対零度」
連絡が付かない娘の安否が知りたいという
母親からの依頼。
娘の夫と夫が逆らえない
ホッケー部の先輩たちの闇。

「華燭」
結婚式に出席する女子高校生の付き添いの依頼。
同フロアで行われる、
2件の結婚式がキャンセル。

「昨日がなければ明日もない」
表題作。
親権を手放した息子が交通事故に。
その慰謝料をもらいたい、
自己中シングルマザーの依頼。

杉村三郎の心に翳りをもたらす依頼が悲しいです。
帯にある「杉村vs.〝ちょっと困った〟女たち」
ちょっとどころが、
たちの悪すぎる人達が登場。

探偵という仕事を進めていく結果、
明かされる真実。
そして重苦しい結末。
彼のまっすぐな心が切なく
読後感はかなり悪いです。

不愉快な人間達の中で
ほんわかとした大家さん一家が救いです。
コメント (2)
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熱帯  森見登美彦

2019-03-10 | 本 ま、や行(作家)

熱帯

「沈黙読書会」に誘われ知る
『熱帯』という本の存在。

「沈黙読書会」のメンバーの
誰もが読んでいても、
未だ読み終えることができない
謎の本「熱帯」を巡る物語。

吉田山かいわいの光景など
京都の描写はリアルで
情景が浮かんできます。

物語が進むに連れ
登場する語り手が変わっていき、
時代も場所も変わっていき、
物語の行き着き先が
分からなくなってきます。

本の中ので迷子になったような‥
不思議な世界観の物語でした。

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