芽吹きそめた白樺の林が終わって天界がひらけ、残雪とリフトに景に変わった。雪に絶えた笹原がたわんだままで続く。2100㍍の横手山に降りたって、足もとに雪渓をみおろす。
空気さわやか清浄。ひんやりと肺腑へ流れる。なんだか「清い」ひとときである。この4、5年、入院、足の神経痛、狭隅角の手術、胆のう摘出とまとめて体は疲弊し切ったので「今ここに……」と感慨深む。背後には美しい山肌の白根山が望めるし、囲繞(いじょう)する山々は私の足もとの高さであるのが快い。今夜は300㍍下って1800㍍の万座に泊まる。
鹿児島市 東郷久子(71) 2006/7/11 掲載
空気さわやか清浄。ひんやりと肺腑へ流れる。なんだか「清い」ひとときである。この4、5年、入院、足の神経痛、狭隅角の手術、胆のう摘出とまとめて体は疲弊し切ったので「今ここに……」と感慨深む。背後には美しい山肌の白根山が望めるし、囲繞(いじょう)する山々は私の足もとの高さであるのが快い。今夜は300㍍下って1800㍍の万座に泊まる。
鹿児島市 東郷久子(71) 2006/7/11 掲載