はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

花火大会

2006-07-23 22:10:53 | アカショウビンのつぶやき
 今年の夏祭りは、前夜祭も総踊りも雨、花火だけが順調にあがった。
でも花火が始まる時間に、BSで「モダンタイムス」が始まっちゃった。 喜劇王チャップリンの映画は、何回観てもいいなあ。お腹がよじれんばかりに笑い転げ、有名なラストシーンをじっくり観てたら、喧噪の現世に戻された。
 花火も終わり近く、音が激しくなった。庭に出てみると最後の賑わいか、次々に打ち上げられる花火が見事に大空を彩っている。
 「ドカーン、ドカーン」の音を聞きながら、ずーっと昔、1歳半の娘と初めて見た、花火大会の夜を思い出した。金魚の浴衣を着た娘は、縁側で「はなびー」と楽しみにしていたのに、いざ始まると「コワーイ」としがみつき、花火が終わるまで、親も子も汗びっしょり。逃げ出す場所もなく、くたびれ果てた花火大会だった。
 甘えん坊だった娘も、語学留学で間もなく独りアメリカへ旅立つ。何かを学び取って帰ってきて欲しい。と流れ星ならぬ花火に願いを込めた。    アカショービン

不安と安堵

2006-07-23 21:39:05 | はがき随筆
 「まあー」。病院の待合所は市の基本検診の終了日が間近いために受診者が多く驚く。採尿、身長、体重の計測を始める。
 体重は昨年通り。身長は5㍉伸びた。「ええー」と聞き返す。血圧測定、採血、心電図と進められる。もしかして……と不安な循環器の状態が気になる。最後に医師の診察で唾の嚥下検査は良だった。「本日の検査は許容範囲なので後日の血液、尿検査の結果で改めて考えましょう」の言葉に少し安堵する。
 自分の健康を守るため、1年に一度の機会を生かしたい。
   薩摩川内市 上野昭子(77) 2006/7/23 掲載