10月はじめ喜寿を迎えた。
仏壇に灯明をあげて、一人でサバの刺し身と、焼酎で乾杯する。
戦争の恐ろしさも体験した。戦後、不治と言われた病も得たが助かった。
よく生きのびてきたものだ。
戦死した友の顔や闘病の果てに逝った友を思うと、なぜかむなしくなる。
窓際で鳴いていたちちろが、はたとやみ宅急便が来た。娘からだ。包みを開くと、エッセー教室に通うのに、欲しいと思っていた黒いカバンだ。
子供一同とある。あいつら父がいることを忘れてはいなかったらしい。
喜寿むなし一人の宴にちちろ鳴き
鹿児島市 福元啓刀(77) 2006/10/24 掲載
仏壇に灯明をあげて、一人でサバの刺し身と、焼酎で乾杯する。
戦争の恐ろしさも体験した。戦後、不治と言われた病も得たが助かった。
よく生きのびてきたものだ。
戦死した友の顔や闘病の果てに逝った友を思うと、なぜかむなしくなる。
窓際で鳴いていたちちろが、はたとやみ宅急便が来た。娘からだ。包みを開くと、エッセー教室に通うのに、欲しいと思っていた黒いカバンだ。
子供一同とある。あいつら父がいることを忘れてはいなかったらしい。
喜寿むなし一人の宴にちちろ鳴き
鹿児島市 福元啓刀(77) 2006/10/24 掲載