デイ・サービスの朝、笑顔の母と食卓につく。
「おや、入れ歯はどうしたの?」
「あ、忘れた。どこかなあ」
家中探し回ってようやく見つけた。
「さあ、食べましょう」
「いただきます。これはスプーンで食べるのね」
「いいえ、お箸よ。あら、ないねえ。お母さんのボケがうつったのかな」
「私も由井ちゃんのがうつったんだろうねえ」
「そうかもね。すみません」
「いいのよ。親子だから」
89歳の母との一日が始まる。
阿久根市 別枝由井(65) 2007/7/1 毎日新聞鹿児島版掲載
「おや、入れ歯はどうしたの?」
「あ、忘れた。どこかなあ」
家中探し回ってようやく見つけた。
「さあ、食べましょう」
「いただきます。これはスプーンで食べるのね」
「いいえ、お箸よ。あら、ないねえ。お母さんのボケがうつったのかな」
「私も由井ちゃんのがうつったんだろうねえ」
「そうかもね。すみません」
「いいのよ。親子だから」
89歳の母との一日が始まる。
阿久根市 別枝由井(65) 2007/7/1 毎日新聞鹿児島版掲載