はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

新しい家族

2007-07-17 15:35:57 | はがき随筆
 この2カ月余りの間に、我が家の玄関にツバメが巣をつくり、やがて5羽のひながかえった。親鳥がせっせと餌を運び、ひなが一斉に白いくちばしを開ける。その可愛いことといったら!
 6月のある日、一家の姿が見えないのでもう巣立ったんだと勘違い。悲しんでいたら朝、また戻ってきている。「あら、お帰り」と思わず叫んだ私。たぶん昼間は、自然界で生きてゆくためのスパルタ教育を親鳥から受けているんだろう。明け方には皆そろって玄関の近辺を盛んに飛び回り、それはもうにぎやか。来年もきっともどってきてねと毎朝、語りかける日々である。
   鹿屋市 田中京子(56) 2007/7/17 毎日新聞鹿児島版掲載

新潟地震

2007-07-17 14:44:17 | アカショウビンのつぶやき
 またも新潟が大きな地震に見舞われた。
 震度6の地震は長野、新潟両県に大変な被害をもたらした。ぺしゃんこになった家を見ると決して他人事ではない、日本中地震の心配はないなんて言える場所はどこにも無いはずだし…。
 一日も早く余震が止み、被災した方々が安心して復興に取りかかれるようにと祈るばかり。

 1964年、M7.5の新潟地震に見まわれた時、夫はその直前まで、新潟国体の山岳部監督として新潟に滞在していた。安否を確かめようにも連絡がつかず不安な1日を過ごしたことを今でも思い出す。信じられないようだが、当時、住宅電話の普及はまだまだで我が家には電話もなく、長距離電話もなかなか繋がらない時代である。
 後で聞くと当のご本人は東京に着くまで、地震のニュースを知らなかったようで、連絡が来たのは夜だった。お隣の借り電話だったが声を聞いた途端に涙が溢れた。「無事じゃったとね よかったが なっきゃんな」と慰めてくださったおばちゃんの声が忘れられない。
 今、子供2人は川崎に住む。いざと言う時の安否確認の方法をいつも話し合うが「災害伝言ダイヤル」だけは、しっかりマスターしてよと注意される。その時、パニックにならぬように、色々考え直す機会だった。

 被災者の皆さんが一日も早く元の生活に戻れますように心からお見舞い申し上げます。