13歳の純に誘われてウナギ釣りに行くことにした。純の言葉に従い、先ずボールペン大のミミズを集めた。次に糸を通した縫い針でミミズを縦につなぎ、大きな輪をつくる。1㍍ほどの竹の先に数個の数珠をくくりつけた形に束ねて縛る。そして目指す小川へ。水中の石組みのすき間の穴が狙いだという。指示通りミミズの束をそっと押し込む。何度かやっていると、ぐぐっと強い引き。「純、どうする」「先生、後ろの土手に引き出して!」「よしっ」。そしてウナギを追い回した2人。昨日のことのようだが、もう38年が過ぎている。「純、元気でいるか」。
出水市 中島征士(62) 2007/7/27 毎日新聞鹿児島版掲載
出水市 中島征士(62) 2007/7/27 毎日新聞鹿児島版掲載