「扇風機」
主が帰って来た。冷房ぎらいな彼女とは相性がよくて、僕のところに直行してくれる。そこで律義に右に左に首を振る。
最近は秋めいてたまには無聊をかこつことがある。そんな時、主は勲章のようなほこりを僕の顔に見つける。働いていると気づいてもらえず、休むとやっと分かっ
てもらえるのも皮肉。
残暑が厳しく働きに働いたある日、主はのどが弱いのを忘れて僕にべったり。案の定、のどを痛めてコーラスによくなかったと後悔している様子。やれやれ、こんな主に仲良くつき合って、今は優しく風を送っている。
霧島市 □町円子(69) 2009/9/22 毎日新聞鹿児島版掲載
主が帰って来た。冷房ぎらいな彼女とは相性がよくて、僕のところに直行してくれる。そこで律義に右に左に首を振る。
最近は秋めいてたまには無聊をかこつことがある。そんな時、主は勲章のようなほこりを僕の顔に見つける。働いていると気づいてもらえず、休むとやっと分かっ
てもらえるのも皮肉。
残暑が厳しく働きに働いたある日、主はのどが弱いのを忘れて僕にべったり。案の定、のどを痛めてコーラスによくなかったと後悔している様子。やれやれ、こんな主に仲良くつき合って、今は優しく風を送っている。
霧島市 □町円子(69) 2009/9/22 毎日新聞鹿児島版掲載