はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

はがき随筆特集「風」-18

2009-09-22 13:46:45 | はがき随筆
「扇風機」
 主が帰って来た。冷房ぎらいな彼女とは相性がよくて、僕のところに直行してくれる。そこで律義に右に左に首を振る。
 最近は秋めいてたまには無聊をかこつことがある。そんな時、主は勲章のようなほこりを僕の顔に見つける。働いていると気づいてもらえず、休むとやっと分かっ
てもらえるのも皮肉。
 残暑が厳しく働きに働いたある日、主はのどが弱いのを忘れて僕にべったり。案の定、のどを痛めてコーラスによくなかったと後悔している様子。やれやれ、こんな主に仲良くつき合って、今は優しく風を送っている。
  霧島市 □町円子(69) 2009/9/22 毎日新聞鹿児島版掲載



はがき随筆特集「風」-17

2009-09-22 13:42:23 | はがき随筆
「秋風」
 1番ゲート通過。元気なお年寄りの歓声が響く。帰省の度に父の大好きなゲートボールに参加して数年、すっかり皆さんとも顔なじみになり面白くなってきた。四季折々、冬はたき火で暖を取り、夏は柿の木の陰で涼を取り、楽しみは各自持ち寄ってのお茶休憩。そんな時会長さんから特別の会員として木札に名前を頂いた。うれしいなあ-。あれから1年余、急に体調をこわした会長は帰らぬ人に。近くの畑から昼野火の煙が漂い、彼岸花咲く会場に今日もボールのはじく音が聞こえる。時々秋風がほおをなでると、優しかったありし日の会長が思い出される。
  指宿市 有村好一(60) 2009/9/22 毎日新聞鹿児島版掲載


はがき随筆特集「風」-16

2009-09-22 13:30:47 | はがき随筆
「嵐が去った夜」
 南薩の畑作地帯を望む峠のバス停で下りて君のもとへ向かった。君は古民家に家主のおばさんと住んでいた。夕暮れの庭先にはタマスダレの花が咲いていた。
 翌日、予想外の台風に急襲された。長崎鼻散策を断念し激しい風雨に耐えていた。そんな時チラッと外が見えた。瞬間、屋根に穴が空いた!のだ。勝手口の敷居の腐った片方が風圧で外れていた。それから長い間敷居を押して板戸を守り続けた。嵐が去ったその夜、満月であった。十五夜の供え物の横に正座した君と月明かりに澄んだ世界をいつまでも眺めていた。
 遠い遠い青春のこと-。
  出水市 中島征士(64) 2009/9/22 毎日新聞鹿児島版掲載


はがき随筆特集「風」-15

2009-09-22 13:22:39 | はがき随筆
「シャボン玉」
 我流で俳句を始めて1年3力月。「東風」(こち)「南風」(はえ)「雁渡し」(かりわたし)「神渡し」などの季語も覚えた。風は吹くものだと思っていた。吹いてこそ風だと。しかし風に吹かないでと祈る童謡のことを聞いた。「シャボン玉飛んだ/屋根まで飛んだ/屋根まで飛んで/こはれて消えた/風、風、吹くな/シャボン玉飛ばそ」。不勉強で作詞者の名は知らない。彼の娘が幼くして亡くなり、その娘を思って書かれたのだと伺った。童謡の中の「シャボン玉」とは、「屋根」とは、「風」とは……。彼の思いに寄り添ってこの歌を口ずさむ時、最後まで歌い通せない私がいた。
  霧島市 久野茂樹(60)2009/9/22 毎日新聞鹿児島版掲載



はがき随筆特集「風」-14

2009-09-22 13:19:05 | はがき随筆
「風に思いを」
 砂漠の風が、目の荒い砂をすくいあげてサラサラまくのを見ていた。
 ワディ・ラムの風は生きていた。風の話が聞き分けられないか、心を澄ましていた。
 シリア人のガイドの声で、ツアーに引き戻された。連れたちが、巨大な岩山に向かって叫びはじめた。
 ああ、こだまなどほしくない。
 あの人に届きますように。
 吹き渡る風におもいを託した。
 妹にカメラを向けていた妹の夫は「さっこさんはもうー」と言って笑った。
 鹿屋市 伊地知咲子(72) 2009/9/22 毎日新聞鹿児島版掲載




はがき随筆特集「風」-13

2009-09-22 13:14:40 | はがき随筆
「民意の風」
 絵本の世界に「夏にゆかた姿の子供が、縁側につり下げてある風鈴の下で遊ぶ」情景の絵がある。
 風鈴の音が聞こえてきそうな気がする風もある。
 風は風でも、今回、民意の風が吹いて民主党が圧勝した。
 台風などの自然の風も怖いけれども、国民の思いとも言うべき風も、時には吹いて空気の流れを変えて良いのではないか。
 スッキリした青空の下で、そよ風を求む。
 鹿児島市 下内幸一(60) 2009/9/22 毎日新聞鹿児島版掲載


特定健診

2009-09-22 01:19:23 | アカショウビンのつぶやき
特定検診の結果が届いた。予想はしていたけれどD判定。
主治医のH先生曰く「75年も使った体だがね、おかしいところも出てくるのよ」
「はい、仰るとおりです」。
メンテナンスもしっかりやってないし、その結果がD判定か。

早速コレステロールの薬が処方され、毎日の血圧測定を言い渡される。
あぁあ、次は降圧剤の処方かなぁ。

更に転倒予防の筋肉トレーニングも勧められた。
しょっちゅう転ぶので「次に転んだら骨折だよ」と皆に脅かされている私。

運動嫌いで、「わかっちゃいるけど…」で結局何もしない私でも、ここまで追い詰められたら少し焦りも出てきた。

でも腹筋運動をすれば、首が痛くなり、片足立ちをすれば腰が痛み、歩けば足が痛くなる。何かをやれぱどこかに障害が…。

でも寝たきりはいやだし認知症も怖い。
鹿屋市と体育大学が提携して「鹿屋市民体操」なるものが出来たらしい、名付けて「ゆったり、いきいき、はつらつ体操」ボチボチ行きましょうか。