学校の先生をしておられた高齢のK先生は、鈴虫の飼育の名人である。毎年8月の初めになると、遠方なのに決まって幼虫をいっぱい届けてくださる。
妻は越冬させるコツをいくら習っても失敗ばかりで、最近はその時季になると虫かごを準備して当てにして待っている。
まだ昼間の暑さは厳しいけれど、盆が過ぎ高校野球が終わりに近づくころになると時々1、2匹が交互に短い声で鳴き始めようとする。
たしかに朝夕は季節のうつろいを五感を通して予感する。間もなく鈴虫たちのにぎやかな「さえずり」が始まりそうだ。
志布志市 一木法明(74) 2009/9/29 毎日新聞鹿児島版掲載
妻は越冬させるコツをいくら習っても失敗ばかりで、最近はその時季になると虫かごを準備して当てにして待っている。
まだ昼間の暑さは厳しいけれど、盆が過ぎ高校野球が終わりに近づくころになると時々1、2匹が交互に短い声で鳴き始めようとする。
たしかに朝夕は季節のうつろいを五感を通して予感する。間もなく鈴虫たちのにぎやかな「さえずり」が始まりそうだ。
志布志市 一木法明(74) 2009/9/29 毎日新聞鹿児島版掲載