2011年1月19日 (水)
岩国市 会 員 山下 治子
ゴミ収集車が来なくなった年の瀬。庭の隅に穴を掘り残飯を捨てた。翌朝、それがほとんど無くなっていた。誰か片づけてくれたのかな、と思いながらまた捨てた。
その晩、何やら気配を感じ、台所の窓を少し引き外をうかがうと、何かが動いている。よく見るとタヌキが家族でがさごそと残飯をあさっていた。
そうか、やっとご飯にありつけたんだ。犬がいたころは来たことがなかったのに、今は安心して食べている。タヌキは悪さをするというが、お正月はいつもよりごちそうの残飯だ。三が日だけね、と今夜も捨てた。
(2011.01.19 毎日新聞「はがき随筆」掲載)
岩国エッセイサロンより転載
岩国市 会 員 山下 治子
ゴミ収集車が来なくなった年の瀬。庭の隅に穴を掘り残飯を捨てた。翌朝、それがほとんど無くなっていた。誰か片づけてくれたのかな、と思いながらまた捨てた。
その晩、何やら気配を感じ、台所の窓を少し引き外をうかがうと、何かが動いている。よく見るとタヌキが家族でがさごそと残飯をあさっていた。
そうか、やっとご飯にありつけたんだ。犬がいたころは来たことがなかったのに、今は安心して食べている。タヌキは悪さをするというが、お正月はいつもよりごちそうの残飯だ。三が日だけね、と今夜も捨てた。
(2011.01.19 毎日新聞「はがき随筆」掲載)
岩国エッセイサロンより転載