はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

「3番目のイチ」

2011-02-20 16:53:40 | 岩国エッセイサロンより
岩国市  会 員   山本 一

私のニックネームは「イチ」である。以前、飼っていたシェパードも娘が「イチ」と名付けた。愛犬が呼ばれるたびにこちらも「ビクッ」。私が愛犬を呼ぶ時も、何とも具合が悪い。

先日、娘に男児が生まれた。名前がなんと「いっと(一途)」だという。またまた「イチ」の登場である。家族はどんな呼び方をするのだろう。やはり通称は「イチ」になりそうな予感がする。名付け親は娘らしい。今度は私ではなく犬の「イチ」にあやかったのだろう。「イチ」が「イチ」を抱いて田布施にある「イチ」の墓に参る日も遠からず、実現しそうだ。

 (2011.02.20 毎日新聞「はがき随筆」掲載)岩国エッセイサロンより転載

「いとしき日々」

2011-02-20 16:51:18 | 岩国エッセイサロンより
岩国市  会 員   横山 恵子

鬼、いや、節分の時期になると思い出す。次男が2年生ぐらいだったか。ひどくしかったら私の頭を指し「あっ、お母さんの頭から角が……」と大声で叫んだ。思わず頭に手をやったら続けて「生えてくるかと思った」ときた。

私は怒ることも忘れて大笑い。きっと鬼の形相をしてたのだろう。0、1、2歳のだんご3兄弟を髪振り乱して束にして育てた。ダイエットしなくても体重40㌔。寝顔を見て、日々反省。今で言うイクメンの夫に助けられた。今はあのころが懐かしい。過ぎ去って感じる幸せもあるんだなあ。
  (2011.02.18 毎日新聞「はがき随筆」掲載)岩国エッセイサロンより転載



「デジタル放送に利点」

2011-02-20 16:48:18 | 岩国エッセイサロンより
岩国市
  会 員   山本 一

私は軽度の難聴である。日常会話は、ほとんど支障がない。困るのはテレビを見る時である。ニュースやコマーシャルは比較的明瞭な声で何とか聞き取れるが、テレビ・ドラマの会話はなかなか聞き取れない。そんな悩みをデジタル放送が解決してくれた。

ある時、テレビのリモコンを見ていて「字幕」というボタンを何気なく押した。何とドラマの会話が、そのまま口の動きに合わせ、文字になって画面へ示されるではないか。

これまでは「テレビの音が大きいわよ」と、妻に言われていた。今は、より小さい音量でも十分である。デジタル放送は、高価な機器への買い替えが必要なことを除けば、いいことばかりである。

画面は鮮明だし、字幕は出るし、番組表や天気予報などデータ放送を見ることのできる優れものだ。目下、20インチの比較的安価なもので、寝室と食事室の2箇所をデジタル化している。残る3箇所にあるアナログテレビの更新までは手が廻らない。

難聴の方にはデジタル・テレビがぜひお勧めである。

(2011.02.16 中国新聞「広場」掲載)岩国エッセイサロンより転載