はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

幼い俳人

2011-12-10 22:34:47 | アカショウビンのつぶやき
 鹿屋市立笠野原小学校の創作指導はいつも注目されています。
今年は、「南九州市かわなべ青の俳句大会」で、
14名が入選し学校賞を受賞しました。

ボランティアで、地域FMのラジオ番組を作っている「心のメモ帖」チームの二人、
今回は笠野原小学校に取材をお願いしました。



最初にOさんの説明を聞いてからスタートです


昼食時間を割いて、子どもたちが集まってくれました。
パソコンで収録するのが珍しそう…。

一人ずつ自分の俳句を詠んでもらいましたが、
「うーん」とうなってしまうような作品もありました。




風が吹く カーテンふわり おどってる

ドンと咲き 輪のまま消える 大花火

望遠鏡 レンズはみだす 月明かり

大粒の 汗に太陽 とじこめる

暑いぞー 水をかぶって すずしいぞー

ふうりんは りんりんなるよ なつのおと

いきをとめ せんこうはなび みつめてる

にじのいろ あつめてつくった たまむしだ

はじめての たいけんいっぱい なつやすみ

いいですねぇ
 
子どもたちも いい体験になったかな…
子どもたちの笑顔に元気をもらった
アカショウビンでした

子宝

2011-12-10 21:45:25 | はがき随筆
 貧しい農業で5人の子を育て父は20年前に亡くなり、母は、95歳となり老人ホームで余生を送っている。「貧しくてもわが家には子宝がある」が両親の口癖でとても愛情深く私たちを育ててくれた。そんな両親の一人残った母と暮らせる者は残念ながらいなかった。
 どんなに手厚い介護の生活でも、母には住み慣れた家ではないという決定的な悲しみがある。面会に行くホームの通路には入所者の絵や書が展示してある。その中に「子宝」と書かれた書がある。「また来るね」と母を抱きしめ、その書の前を私は逃げるように帰るのである。
  出水市 塩田きぬ子 2011/12/9 毎日新聞鹿児島版掲載

青海波

2011-12-10 21:20:34 | はがき随筆
 先日、本紙掲載の色鮮やかなカラー写真付きの記事に目が引き付けられた。
 写真は映画「源氏物語~千年の謎」で雅楽の舞「青海波」の衣装でポーズをとる生田斗真さん。衣装は天理大学雅楽部所蔵とある。
 この衣装は娘が大学の雅楽部に在籍していた時に部員が「仕立方からはじめ、写真を見ながら一針、一針ししゅうをしたもの」と聞いた。
 今、その労作が映画の中で使われている。つい最近、舞台の青海波を鑑賞したが、斗真さんの舞と衣装をを早く見たいものです。
  鹿児島市 内山陽子 2011/12/9 毎日新聞鹿児島版掲載

看護師さんの対応に感服

2011-12-10 14:05:07 | 岩国エッセイサロンより
2011年12月10日 (土)

   岩国市  会 員  片山 清勝

 9月末、大腸がんと診断され、その切除手術を受けた。手術後の回復は順調で普通の生活に戻れた。

 生まれて初めての入院生活。振り返ると、何といっても看護師さんたちにお世話になった。手術後、痛みなどを訴えると笑顔と優しさを決して失わず、患者の状態を知り的確な対応をする姿に感服した。そこには責任感だけではない、鍛錬された気持ちの通いを感じた。患者との信頼関係を生み、回復への励みになると思った。

 「手術後にしっかり歩くことが回復への近道」と主治医から説明を受けていた。病棟の廊下を歩くと、多くの看護師さんから声をかけられる。「痛みはない?」「どのくらい歩いたの?」「歩く姿勢が良ぐなった」など、なんでもない普通の会話だが、それが手術後の重い気持ちをやわらげてくれていることに気付いた。

 こうした声かけは、重度の患者にとってはなおのこと効果が大きいだろうと信じる。こちらからも返事は出来るだけ明るく返した。

 仮眠もない夜勤の看護師さんをナースコールする。予定の業務を中断させるが、笑顔と優しさを失うことなく駆けつけてくれる。その姿勢に「ありがとう」が自然に口から出ていた。

   (2011.12.10 朝日新聞「声」掲載)岩國エッセイサロンより転載