はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

はがき随筆7月度

2018-08-17 12:10:12 | はがき随筆
月間賞に柳田さん(宮崎)
佳作は川畑さん(鹿児島)、相場さん(熊本)、津曲さん(宮崎)


はがき随筆7月度の受賞者は次の皆さんでした。
【月間賞】13日「命の洗濯」柳田慧子=宮崎県延岡市
【佳作】20日「ぜいたくな時間」川畑千歳=鹿児島県垂水市
▽26日「ツバメは縁起物」津曲久美=宮崎市

 柳田慧子さんの「命の洗濯」。出だしがとてもいい。このフレーズで作者の健やかな日常が感じられます。娘さんのお誘いに感謝しながら言った「命の洗濯」という言葉に娘さんが発した「命を洗う? でも、そりゃ、大ごとや。慎重にね」。この言葉が新鮮で素晴らしい。電話で交わされる母と娘の和やかな会話が温かく、読者も幸せのおすそ分けをいただいたような気持ちになります。
 川畑千歳さんの「ぜいたくな時間」。作者は定年再雇用で実家近くの市役所支所に30分ほどの距離を車通勤しておられる。その通勤の行き帰りに見える周りの景色を丁寧に書かれています。霧島山、開聞岳、桜島、そして牛根の山々の美しさ。生まれ育った地域にお役に立てればいいと思っての勤務であったが、素晴らしい景色に癒され、老いた両親にも会える喜び。逆に故郷からごほうびをもらっているようだと。作者の寛やかな心と景色が美しい作品です。
 相場和子さんの「命という舟」。日野原重明氏の著書を読み命について考えた。人生を生きるとは、命の舟をこぐこと。無事にこぐには健全な心が必要だと。「時間こそ命」と、自戒されておられ、91歳にしてこの思いに至る柔軟な思考に驚きました。
 津曲久美さんの「ツバメは縁起物」。作者の家の納屋には昔からツバメが巣作りをしている由。子育てに悩んでいた遠い昔に義父が言った。「ツバメの世界も手のかかる子はいるもんじゃね」。心にしみる作品でした。
 7月の西日本豪雨では甚大な被害がてました。一日も早い復興を願うばかりです。
 みやざきエッセイスト・クラブ会員
戸田淳子

部活の思い出

2018-08-17 11:44:24 | はがき随筆
 中3の孫娘は部活のバレーを頑張っている。応援に行くと館内は大勢の声援。緊張した6人の中に孫の背番号を探す。
 おのずと半世紀昔のほろ苦い中学時代がよみがえってきた。
 その頃は校庭にネットを張り9人制。放課後の炎天下に汗と砂にまみれて失敗の叱責にもひるまず練習に明け暮れていた。
 ある日、練習がたるんでいると校庭3周?の罰。途中息切れして一人完走できず恩師の愛のむちに報いられなかった。その苦い経験から学んだ気力と忍耐は暮らしの支えになってきた。
 孫たちもたくましく成長してほしいと願う老婆心はつのる。
  鹿児島県薩摩川内市 田中由利子(77) 2018/8/17 毎日新聞鹿児島版掲載