はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

南瓜の収穫

2021-08-02 16:15:19 | はがき随筆
 娘が庭に穴を掘り、生ゴミを埋めた所から南瓜の芽が数本出てきた。日ごと眺めているうちに成長し、試しに6カ所へ移植。やがて雄花、雌花が綺麗に咲く。蜂や蝶も飛ぶが娘婿が筆先で受粉、肥料も施し、庭一面南瓜の葉。やがて小さな実、一雨ごとに大きくなる。来訪者たちも見事な南瓜の成長ぶりを楽しみに。我が家で南瓜を作るのは60年ぶり。阿蘇にいた頃に育てた南瓜をボーブラと呼んでいたが、硬くておいしかった。やがて葉が枯れ始め、立派な南瓜が6個も収穫できた。味見はまだだけど、近々娘たちと一緒に食卓でその味をかみしめたい。
 熊本市中央区 原田初枝(91) 2021.8.2 毎日新聞鹿児島版掲載

終わり良ければ

2021-08-02 16:05:25 | はがき随筆
 演出家の故蜷川幸雄氏が手掛けたプロジェクト、シェイクスピアの全37戯曲を上演するシリーズが完結した。23年かけて。タイトルもまさに「終わり良ければすべて良し」。
 当時、埼玉県与野市だった街に芸術劇場ができ、埼京線に乗って何度通っただろう。今はさいたま市となったが、演劇好きな人間が駅から劇場までの道を、期待を胸に歩く。
 蜷川氏亡き後は、吉田鋼太郎が遺志を継ぎ、残りの作品を演出しまた出演もした。台本は、松岡和子氏による新訳。氏も全作品の翻訳を完成させたことになる。めでたし。
 鹿児島市 本山るみ子(68) 2021/8/1 毎日新聞鹿児島版掲載