「腹八分目っていい言葉よね。仕事も遊びも目いっぱいやると疲れる。ほどほどがいいわ」と若い友人が言った。「そう?」と聞き流したが、40代の頃、腰痛でかかった整形の医師の言葉を思い出した。「快適な60代を迎えたかったら体重を落としなさい。膝にきますよ。そのためには腹六分目を心掛けるように」と。「えー、腹八分目も大変なのに六分目なんて」と反発したら、「自己責任ですから」と事務的に言われた。
そして後期高齢者になった今、またその言葉に出会う。友人にも逆らいたかったが、黙っていたい膝をさすっている。
宮崎県延岡市 島田千恵子(77) 2021/8/6 毎日新聞鹿児島版掲載