はがき随筆・鹿児島

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「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

帰ってきました

2013-04-21 23:26:29 | ペン&ぺん

 「帰ってきました」。と言っても、テレビでニュース解説をしたり特ダネ連発の花形記者ではなかったので、私の事など誰も知らないはず。私は隣の熊本出身。でも私の長女にとって鹿児島は生まれ故郷。17年前、当時の県立鹿屋病院で生まれた。31歳で妻と鹿屋通信部に赴任。4年間、大隅半島を回り、鹿屋で長女に恵まれた。その後、四国や北九州市などを経て山口県下関市にある下関支局から鹿児島へ。今年は幕末の志士、高杉晋作の奇兵隊結成から150年。幕末、明治に国を動かしたこの地で再び記者を勤められ、感慨深い。
 異動が内示され、鹿屋時代が鮮やかによみがえった。自民党の二階堂進元官房長官も山中貞則元通産相も現役で、取材には本人が応じてくれた。二階堂氏は日中国交正常化に尽力、山中氏は税制の重鎮として知られ、誰もが知る大物政治家。私は孫同然だったかもしれないが、きちんと話をしていただいた。また、鹿屋通信部記者の私が日ごろ接していない当時の須賀達郎知事や赤崎義則・鹿児島市長を取材したときも2人は気さくに応じてくれた。こう書いたのはお世辞ではなく、古くから国内外と戦い、交渉してきた経験の差がトップの人の血となり、度量の深さにつながっているのだろう。今は議員や首長に取材を申し込むと、事前に質問事項を求められたり、文書で回答というケースが多い。
 南日本新聞社やMBCなどライバル社ではあるが、不慣れな私を何度も助けてくれた優しくて、男気あるマスコミ人と再び仕事ができることもうれしい。記者クラブを“仲良しクラブ”と揶揄されないよう切磋琢磨したい。落ち着いたら、初当選時からずっと気になっていた本県の最高責任者、伊藤祐一郎知事をぜひ訪ねていかねばならないと思っています。鹿児島の皆さん、再びよろしくお願いします。
鹿児島支局長 三嶋祐一郎 2013/4/6 毎日新聞鹿児島版掲載

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