はがき随筆・鹿児島

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「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

選挙の足音

2008-10-01 19:33:07 | かごんま便り

 麻生内閣がスタートして最初の世論調査結果が26日朝刊に載った。注目の内閣支持率は45%(不支持率は26%)という。

 毎日新聞の戦後歴代内閣の支持率調査で、発足時の一番人気は小泉内閣(01年)の85%。次いで細川内閣(93年)75%、安倍内閣(06年)67%、橋本内閣(96年)59%、福田内閣(07年)57%──と続く。

支持率は時間と共に多少の浮沈はあるがおおむね下がっていく。政権末期のどん底で記憶に新しいのが森内閣の9%。その反動?もあって小泉内閣は支持率が急上昇したが、以降は安倍→福田→麻生と、政権への期待感は明らかに低落傾向だ。

支持率に絡んで思い出がある。全国の予備選で小泉純一郎氏の人気が沸騰し、本命視されていた橋本龍太郎・元首相に圧勝した01年4月の自民党総裁選。ややあって新内閣の発足後、驚異的な高支持率についてある橋本派幹部に話を向けた。案の定、怒鳴られた。「支持率なぞに一喜一憂するのは君たち(マスコミの人間)だけだ!」と。

敗軍の将を担いだ身に小泉人気は面白くなかろう。そう思って聞いていると彼は続けた。世論の後押しの有無にかまわず、我々はやるべきことをやるのだ──と。「迎合しない」と言いたかったのだろうが一歩間違えば独善に陥る。それは時として危険ですらある。

閑話休題。今回の世論調査で、内閣支持率はともかく政党支持率で見ると、自民は前回より盛り返した。これに与党が手応えを感じれば解散・総選挙へまっしぐら、である。だいたい政局というのは転がり出すと止まらないものとされている。とは言え「じたばたしない」前農水相に隣県選出の国交相と“失言居士”たちが本領?を発揮し、辞任のドタバタ劇が相次ぐ中で、解散カードを切る勇気が麻生首相にあるかどうか……。

いずれにせよ、騒がしい秋になりそうだ。

鹿児島支局長 平山千里2008/9/29 毎日新聞掲載

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