去年、グラスで愛でた椿の一輪挿し。15㌢程の細い枝に大きな花と2枚の葉っぱ。花か散るも残った2枚の葉っぱは、なお瑞々しい。生命の強さを信じて庭の花壇に小枝を挿した。「頑張れ」と声をかけながら見守った。根づいてくれて一安心。だが季節は移りゆくも小枝はいっこうに成長しない。立春が過ぎた。その朝、息をのんだ。椿の小枝に一輪の花が咲いていた。
枝丈も2枚の葉っぱも去年のままに、花だけが小さくなって小枝に似合っている。感きわまり、かすんで見える小枝を両手で包み込んだ。「よく頑張ったね」。愛しくてたまらない。
宮崎県延岡市 橋本京子(75) 2019/3/14 毎日新聞鹿児島版掲載
枝丈も2枚の葉っぱも去年のままに、花だけが小さくなって小枝に似合っている。感きわまり、かすんで見える小枝を両手で包み込んだ。「よく頑張ったね」。愛しくてたまらない。
宮崎県延岡市 橋本京子(75) 2019/3/14 毎日新聞鹿児島版掲載