はがき随筆4月度の受賞者は次の皆さんでした。(敬称略)
【月間賞】4日「ジェスチャー」的場豊子=鹿児島県阿久根市
【佳作】4日「デジタル新聞」増永陽=熊本市中央区
▽4日「小さな畑」小野小百合=宮崎県日南市
▽16日「心に咲いた花」若宮庸成=鹿児島県志布志市
5月1日に皇太子徳仁さまが新しい天皇の位に即かれ令和の時代が始まりました。
多くの人が即位を喜び世の中はお祝いムードに包まれています。令和の時代も平和が続くようにと祈るばかりです。
的場豊子さんは、スイスの高原列車の旅に行こうと、ご主人から誘われた。旅先で言葉が通じるかしら? と不安もあるが、以前エジプトの旅では身ぶり手ぶりで十分に通じたから今回も何とかなるだろうと。「なぜか通じるんです」に作者の女性としてのたくましさとユーモアが感じられて気持ちがいい。思わず拍手を送りました。スイス旅行の後日談も楽しみにしています。
増永陽さんは、卒寿の方。その日常は驚くほどエネルギッシュです。新聞のデジタル版のプレミアムプランを登録して北海道版やサンデー毎日、エコノミストまで読破されている。高齢になるとIT関連のカタカナ文字は敬遠しがちになりますが、増永さんの文章は最新のIT用語満載です。まさにこの作品は人生百年時代を照らす光です。
小野小百合さんは、お父さまが残された小さな畑をご夫婦で守っておられる。その日常を自分の心の内を見つめながら書かれて、しっとりとした文章に仕上げました。
若宮庸成さんの作品。物の不足した時代、衣類に開いた穴にはツギを当てて大事に着ていました。今は使い捨ての時代ですが、だからこそツギを当ててくれた人の暖かさが見にししみて「心に咲いた花」とタイトルにした作者の気持ちが読者に伝わります。
4日の竹本伸二さんの「食」、17日の古城正巳さんの「反省」も心に残りました。
みやざきエッセイスト・クラブ会員 戸田淳子