ウオーキングにでた。田の道から宮田川支流へ。道路に上がる手前で、スケッチする花を摘もうと立ち止まった時、後ろから男性の声がした。「あんた、よくまあ、あんな所を通ったな。わしでも怖かったが」と言いながら抜いて行かれた。
「えっ、どこのこと?」。来た道を振り返る。木がせりだしていたあそこか。ウオーキングポールで支え、堤防のへりに下りたが、1㍍くらいの段差。怖いとはちっとも思わなかった。
あの男性より私が年上? ポールを杖と思ったの? などぶつぶつ思っていたら、花を摘むのも忘れて帰っていた。
宮崎県高鍋町 井手口あけみ(70) 2019/5/3 毎日新聞鹿児島版掲載