風来坊参男坊

思い付くまま、気が向くまま、記述する雑文。好奇心は若さの秘訣。退屈なら屁理屈が心の良薬。

日本人横綱?誕生 92号

2007年05月30日 10時24分10秒 | 随想
相撲の世界で朝青龍明徳が68代横綱であり、白鵬翔が69代横綱に推挙される。共にモンゴルの出身である。そして幕内力士に数人のモンゴル出身の力士がいる。在籍総数は33名になる。日本の国技である相撲が、モンゴル相撲に成った様相に見えるが、日本の相撲である。伝統に従い、ルールに従った形は、少年時代に見た相撲と同じである。

モンゴルと日本の関係で思い出した。源頼朝の怒りを買った源義経一行が北陸を通って奥州へ逃げる際の加賀国安宅の関(石川県小松市)での物語である勧進帳で日本人に馴染み深い源義経伝説に「義経=成吉思汗説」がある。この説は、義経が衣川で自刃したのが1189年であるとされているが、しかし真実は義経は北海道を経て大陸に渡り、1200年頃モンゴルの諸部族を統一して成吉思汗(チンギス・カン)になったのだという。

相撲世界のモンゴル人の活躍を目にして、この伝説を信じたい気持ちが大きくなった。朝青龍も白鵬も義経の末裔なのだ。だから日本人である。日本人横綱が二人になる。朝青龍が雲竜型で、白鵬が不知火型の土俵入りを披露すれば形も継承できる。相撲は興行であるから美しくなければならない。

日本人の心はアメリカ人の心に変化してしまったので、古い日本人の心の残像があるモンゴル人に伝統の保存を託すのも悪くない。日本人はアメリカ大リーグの保存の手助けをしているのだから。今や世界は一つ・人類兄弟姉妹である。助け合わないといけない。国際化社会では国の概念が薄れてきている。渡り鳥には国境はないのである。

似た事例も宗教の世界にある。仏教である。インド人のお釈迦様が創始したが、達磨さんや玄奘三蔵などが中国に持ち込み、日本に伝来し多くの日本人が信心している。古典仏教は、奈良仏教・平安仏教・鎌倉仏教に古来の神道を吸収して発展して、1200年経過した。しかしインド及び中国では衰退した。モンゴル人の主な宗教はチベット仏教なので、心は似ていると思う。

相撲部屋の食事は様変わりして、ちゃんこがジンギスカンに変わるかもしれないが、フライドチキンやハンバーガーよりは良いか。

相撲は農耕民族の文化であるから、遊牧の民の文化が入れば微妙に変化するだろうが、新しい美意識が創造されるだろう。物事は絶えず変化している。ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。淀みに浮かぶうたかたは、かつ消え、かつ結びて、久しくとどまりたる例なし。鴨長明の方丈記の冒頭である。

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