メタボの豚・痩せたソクラテス ３０８号

金満家がいて生産設備に投資して雇用環境を創造する。貧乏人は労力を提供して報酬を受け取る。労使関係が発生する。安い人件費で働かせる経営者、賃金の増額を要求する労務者。立場の違いの欲の衝突がある。

「窮鼠猫を噛む」

弱い立場の貧乏人も類は友を呼び、同病相哀れみ団結して、金満家に挑戦する。その手段が団体行動権または争議権で、日本国憲法２８条により労働基本権のひとつとして保障されている。労働を放棄することで、金満家にカネが貯まらない様にして、貧乏人の賃金を上昇させ、金満家の強欲に警鐘を鳴らす。

昨今の原油価格高騰や暫定揮発油税率の復活で、ガソリンや軽油といった自動車に使う燃料が高騰している。便乗して重油価格も上昇し、漁船の採算が悪化している。「全国いか釣漁業協議会」は小型イカ釣り漁船約９００隻を一斉に操業を停止する。遠洋マグロ漁業の「日本かつお・まぐろ漁業協同組合」は、マグロはえ縄漁の一部を長期間休漁する。

原油高騰の犯罪者の ファンドマネーの金満家に対する、食の守護神の貧乏人である漁師が団体行動権または争議権を発動したのである。原油賃金である価格を下げる為に。

安価な石油の単神教神話が崩壊した。古き善き日本は石油消費量が低かった。それでも人間は生活できた。マグロを食べるのは、年に数度のお祭りの時。普段は養殖マグロの餌であるアジやイワシの干物を食べていた。遠洋のマグロを求めて、石油を消費しなくても時期になれば、旬のマグロは餌を求めて日本近海に来るのである。

そして自給率１００％の米と味噌汁。近くの米屋に徒歩で買い物に行く。早寝早起き、テレビが無く、駐車場は家庭菜園。石油なんて無くても楽しい我が家である。

国民が一致団結して団体行動権または争議権を行使して、モノカネ万能の石油文明の経済戦争を終結するストライキをする事を日本国平和憲法は否定しない。

１９６４年春の東大卒業式で、大河内総長が述べた「肥った(メタボの)豚になるよりも痩せたソクラテスになれ」との名言を思い出し、実践する時である。