風来坊参男坊

思い付くまま、気が向くまま、記述する雑文。好奇心は若さの秘訣。退屈なら屁理屈が心の良薬。

酒よ、御前は悪魔か天使なのか 394号 

2008年11月11日 17時00分11秒 | 随想
コウジカビの仲間達派は自然界の常在真菌の曲者である。食品を腐敗させる悪戯をする反面、デンプンをブドウ糖に、タンパク質をアミノ酸に分解する性質が強く、また種によっては効果的に脂肪を分解吸収する。

酵母(イースト)は、糖を分解して酒と炭酸ガスに分解する。

人が酒を飲むと、御前は脳細胞に作用して一切皆苦の人生から刹那の極楽に運んでくれる天使になる半面、深酒が理性を麻痺させると虎となり、留置場の豚箱に入ると地獄の案内人の悪魔に変身する。ジキルとハイドの2重人格者の御前。

酒を飲むと、体内で酒はアルコール脱水素酵素によりアセトアルデヒドに分解される。さらにアセトアルデヒドは、アセトアルデヒド脱水素酵素により酢酸へと分解され、最終的には水と二酸化炭素に分解されることにより体外へと排出される。

血管が拡張して顔が赤くなったり、飲み過ぎて収縮すると青くなったりという現象は、アセトアルデヒドが犯人である。

人間が排出した水は大地に流れ、米を作る水田となる。太陽の光は葉緑素に作用して炭酸ガスと水ででんぷんを造る。でんぷんはコウジカビと酵母の働きで酒になる。

輪廻転生の持続可能な宿命的関係。酒にもDNAが有ると信じる。これからも永遠に継続する人間との腐れ縁。

酒を人間が飲むと人間が働く。バイオエタノールを自動車が飲むと自動車が動く。酒を飲み自動車を運転すると衝突して停止し、人間は犯罪者になる。御前を頂く時は駅前の居酒屋で、帰宅は電車が似合っている。

人間は御前の親の米を栽培してくれる。杜氏が醸造して御前を誕生させる天使なのだ。自動車は御前を燃やして動き回り、御前の親の米の水田を道路に変える悪魔である。

御前は善良な人間に、落ち込みから陽気な雰囲気に回復させる起爆剤だし、睡眠薬の効能で奉仕できる。自動車の燃料に浮気することは許さない。

本日はハイブリット・シナジー・ドライブで稲武の山奥の酒蔵・蓬莱泉に予約した清酒「空」を受け取りに行った。燃料は僅かなガソリンと大部分は電気で走行したのである。

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