総理大臣は聖徳太子 １６８号

冠位十二階や十七条憲法を制定したのは聖徳太子であるが、非常に徳の高い皇子の意味の尊称で、特定の個人の名前ではない。今の時代なら総理大臣と同じ意味である。

総理という語には長または首席という意味がある。従って内閣総理大臣とは、行政権を持つ内閣の首席閣僚で、首相・宰相とも言う。

明治憲法の内閣総理大臣は、天皇の使用人である執事長であるから、神である天皇の思いを全身全霊をかけて遂行する義務と責任があった。日本国憲法の内閣総理大臣は、主権在民の国民の代表であるから、国民の思いの現れである選挙に勝利しないと資格を失う。

解散のない参議院の通常選挙で、小泉純一郎にぶっ壊された自民党の若い指導者の安倍晋三は、民社党の老練な小沢一郎の作戦で国民の支持を失い大敗した結果辞職して、自民党の老獪な老人連の総理である福田康夫が総理大臣になった。革新に傾くと保守が復活し、資本主義に向うと社会主義が復活する政治の世界はヤジロベイである。この交代が永田町の都合による権力闘争で、国民を軽視するなら、小沢総理大臣の誕生である。背水の陣内閣が選挙の為なら国民を馬鹿にしている。

行政主権は「大日本帝國ハ萬世一系ノ天皇之ヲ統治ス」の時代に天皇を利用した腹黒い大将の世界戦争に敗戦後は「天皇は日本国と日本国民統合の象徴とされ、これは主権の存する日本国民の総意に基づく」に変わった。政治家は天皇相手なら保守的政治の継続で安泰だろうが、不特定多数国民の総意の集約は至難で、一人で対応したら精神病となり入院する事になる。今の情報過剰な世界ではワークシェアリングの分業で対応しなければならないから、小泉天皇の後は福田稟議書内閣が良いのかも知れない。不都合があれば小沢一郎を昇進させればよい。企業の論理である。

神戸製鋼所社員の安倍晋三は頑固者の政治家の印象である。やはり鉄鋼会社だけに鉄の固体のイメージで硬いのである。丸善石油社員の福田康夫は液体の石油を扱っていたので流動的な施策を期待している。テロ対策特別措置法に熱心になり、インド洋で海上自衛隊の補給艦による米海軍艦艇への給油活動でアメリカメジャーの石油販売利益の増大に加担するなら本末転倒で、本質はテロのない安全な世界の構築なのだろう。

次の総理はガス会社の社員なのだろうか。水の三態からの発想で、学生時代の学問が役に立った。ガス会社出身の政治家が小沢一郎であるとは思わないが、人脈があるかもしれない。政治は人組みである。ガスなら世界中を自由に拡散することが出来る。

１０００年後の子々孫々が、平和な地球を取り戻した日本の政治家がいたと賞賛すれば、歴代の総理大臣は聖徳太子と同様に尊敬されるのである。残暑厳しい初秋の夢である。