アフガンで殺害された中村哲医師の告別式が福岡市で、2019年のノーベル化学賞を受賞した吉野彰旭化成名誉フェローの表彰式がストックホルムで有った報道が有る。
中村医師はアフガンに水路を構築する人道支援で命を落とし、吉野さんはリチウムイオン電池で金メダルを獲得した。
物で栄える祖国はノーベル賞を大々的に報道し、心の琴線に触れる中村医師の扱いが小さいのは世相を反映しているのだろう。
中村さんは「照一隅(いちぐうをてらす)」というメッセージを残した。
自身が置かれた場所で、一つのことに最善を尽くす、平安時代の比叡山の最澄・伝教大師の山家学生式の言葉である。
古人言わく、径寸十枚、是れ国宝にあらず、一隅を照す、此れ則ち国宝なりと。
高野山の空海・弘法大師は温泉を発見したり、満濃池で干ばつを救った。
共に印度のお釈迦様の教えを源流とする哲学の実践で、中村さん、吉野さんは同等に素晴らしい抜苦与楽で世間奉仕したのであり、優劣は無いのだろう。