風来坊参男坊

思い付くまま、気が向くまま、記述する雑文。好奇心は若さの秘訣。退屈なら屁理屈が心の良薬。

経済の相対性理論 296号

2008年06月08日 23時21分46秒 | 随想
1973年のイスラムとユダヤの宗教戦争の第四次中東戦争で、OPEC(石油輸出国機構)は石油価格の引上げ、石油危機による便乗値上げで、狂乱物価なる言葉を生んだ第一次石油ショックに遭った。

1978年のルーホッラー・ホメイニーを指導者とするシーア派が、パフラヴィー朝に代わって政権を奪取したイラン・イスラム革命が勃発、イランの石油生産が中断したため、原油価格が高騰した第二次石油ショック。

2008年以降は中国・インドの石油需要の増加やサブプライムローン問題に端を発した米国の景気減速から資金の流れが原油市場に流れ込み、原油価格高騰を招いている。この原油インフレが景気を後退させ、第三次オイルショックに成るという妄想が氾濫している。

第一次・第二次の危機は人間の心の有様である、宗教の対立・政治体制の相違であるから、対話で解決する余地があった。第三次は人間の物欲とファンドマネーというモノが相手だから解決の糸口が見出せない。それだけに難解な状況である。しかしカネも人間の支配する道具であることを失念しなければ、何時かどうにか成るのだろう。需要が無ければ価格は下がるのである。物欲を減少しないと、インフレになる。

暫定税率が失効したガソリン125円の1ヶ月間は高速道路の利用率が上昇した。自民・公明の多数決の数の論理で暫定税率が復活し、原油価格暴騰の170円の当初は通行台数は減少したが、現在の週末の高速道路は混雑していると聞く。将来200円に成る噂に乗って、今のうちに走り回ろうとする。200円より170円が安いとの相対性理論である。人間は将来を妄想できるが、決定できないのであるから、170円より安くなる可能性を否定できない。価格は需要供給の相対性理論である。竜安寺の蹲の「吾唯足知」の質素倹約の心を実践すると価格は下がるのである。そしてアラブの王様は青くなる。

妄想することなかれ。世間は成るようにしか成らないのである。金が無くてガソリンを購入出来ないなら、動かない不便な自動車を放棄して、二本足で歩けばよいと覚悟を決めれば楽になるのである。

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