風来坊参男坊

思い付くまま、気が向くまま、記述する雑文。好奇心は若さの秘訣。退屈なら屁理屈が心の良薬。

マラソンは苦痛三昧 477号

2009年03月02日 09時48分42秒 | 随想
ご近所の親父と早朝のバス車中でお会いした。トレーニング・ウエヤに運動靴。ハーフマラソンに参加すると話すその目は輝いている。人は何故走るのだろうか。

休日には日本の何処かで、マラソンのイベントが企画されている。鉄道会社の駅から歩く10km程度のウォーキングイベントの時速は4km。21.0975kmのハーフマラソンや42.195kmのフルマラソンは時速20km。

しまなみ海道ウルトラ遠足・宮古島100kmワイドーマラソンは最低でも時速8kmを14時間程度継続しなければならない超人レースである。

圧巻は6月28日の第24回サロマ湖100kmウルトラマラソン。200名を超える男女が挑戦し73%が完走する。10回以上の完走者は「サロマンブルー」のゼッケンが与えられる。20回を越えると「グランドブルー」の称号を与えられ、9人記録されている。6時間42分5秒は昨年の最速記録で、時速は14kmを超える自転車並みである。

発心の安房国二十三、修行の土佐国十六、菩提の伊予国二十六、涅槃の讃岐国二十三の寺。徳島・高知・愛媛・香川の四国の1300kmを50日程度で踏破する四国八十八ヶ寺の札所を巡礼する歩き遍路。日速25km程になる。

延暦寺修験道の千日回峰行は比叡山中や京都市内40000kmを七年間の千日を歩行に専念する。平均年間歩行距離は5714kmにもなり、自家用車の走行距離に匹敵する。

参禅会の往来で仰木の里の覚性律庵の光永澄道、坂本の律院の叡南俊照、 飯室谷長寿院の酒井雄哉北嶺大行満大阿闍梨にお会いしたが、その勲章は善い笑顔である。

健康と病気。病気を逃れる為に、人は歩いたり、走ったりして健康を維持しようとする。病気の苦痛は苦しみを増すが、マラソンの苦痛は健康という楽しみを与えてくれる。

生と死。逃れられない死の恐怖を和らげる為に、人はより過酷な試練を己に課す。そしてマラソンの苦痛に徹している道中は死の恐怖から離脱している苦痛三昧である。

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