風来坊参男坊

思い付くまま、気が向くまま、記述する雑文。好奇心は若さの秘訣。退屈なら屁理屈が心の良薬。

富山湾の白海老、駿河湾の桜海老 478号

2009年03月03日 07時46分39秒 | 随想
源氏が白旗を、平氏が紅旗の源平合戦。赤組が女性群、男集は白組の年末恒例のNHK歌合戦。日の丸は白地に赤。誕生するのは赤ん坊、死装束の白は喜怒哀楽の年輪を増やす人の一生。畳の上で死ねる幸せ。紅白は晴れがましい。

腰が曲がっている老人は長寿の証。海の老人は海老。裏日本の富山湾には白海老、表日本の駿河湾には桜海老。

動物界 節足動物門 甲殻亜門 海老網 海老目の車海老亜目 桜海老は受精卵を海に放つ。海老亜目 白海老は卵を抱く。

昼間には深海で群れを作り遊泳する。夜に水面近くに上昇する日周鉛直移動を行い、駿河湾の海老の世界もレディーファーストの西洋思想が存在し、赤が上、白が下に群がる。鯵を網で漁労中、新米漁師が深度設定を誤り、偶然の大漁になった桜海老。発明王トーマス・エジソンは失敗は成功の母のチャレンジ精神を推奨するが、成熟社会では命取りになる。閉塞感で無気力な若者と退職者で満ちる高齢化社会の日本。

富嶽の麓の由比漁港の漁師は桜海老だけを捕獲してかき揚げ天婦羅にする。アイスクリームの天婦羅は、熱伝導の悪い空気を多く含むカステラやメレンゲで包み素早く揚げると、溶けない。 握り寿司の天婦羅は賞味期限切れの商品の廃物利用の印象がある。食品は胃袋だけでなく、脳味噌で賞味する部分がある。

徳川家康公は鯛の天婦羅のニラ添え料理が原因で命を落とし、以来大奥では天婦羅がご法度になったとの俗説の真相は、奥女中の不注意で小火を出したからである。世間の保身の為に真相を隠し、歪めて報道する癖は人間の性(さが)で繰り返される。

晩冬のある日、従兄は駿河湾の由比漁港で桜海老のかき揚げ丼を、おいらは富山湾の氷見漁港で白海老の軍艦巻きを食べたのである。紅白で愛でたい・目出度い・芽出度い話である。

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