陰暦文月、陽暦葉月15日前後はお盆休暇となり親族が一同に会し墓参りをし、先祖を懐かしむ義弟の宴席に招かれ、好物の焼酎を浴びた。
「天使の誘惑」「魔界への誘い」、今回は「吾唯足知」なる芋焼酎だった。
飲み過ぎて酔い潰れるのが常であるが、今回は吾の適量を知り寝込む失礼は無かった。
「吾唯足知」は禅問答が名物の臨済宗龍安寺の手水鉢に彫刻されている。
現在の境遇に大満足、吾は唯足るを知ると読み、物欲一辺倒は好い加減にしなさいと警告する文字だろうか。
七五三と分散配置された十五個の岩石が有るが、何処から見ても十四個で一個は見えない枯山水の龍安寺の石庭は、人間の心は未熟で一生未完成と思わせる。ならば、吾は唯足らざるを知るで修行に精を出す継続性が求められる。
多くの仏様の存在する仏教は二極分化のデジタル思考を否定し、右から左へ、左から右へ連続するアナログ思考をするから、何でも有りの一億総活躍社会が故に相殺勘定すれば〇で漢字に変換すると「空」になる。皆で飲んで無になった「吾唯足知」の空瓶を記念に頂戴した。