横浜港大桟橋で飛鳥Ⅱが停泊しているのを見た。船客定員960人、乗組員数545人の巨大客船。煙突に白地に二本の赤線で日本郵船の船と知れる。近くに係留されている三菱財閥の源流・氷川丸と同じ意匠。
クリスタル・ハーモニーとして三菱重工業長崎造船所で竣工し、米国で活躍したがクリスタル・セレニティとクリスタル・シンフォニーの三隻体制になった時、集客が不調に成った。
日本では同じ造船所で後から完成した飛鳥による外航クルーズが人気となり、乗客定員610名、乗組員数243名では手狭なのでクリスタル・ハーモニーが飛鳥Ⅱとなった。飛鳥はドイツの船会社に売却、アマデアとしてバルト海を中心に活躍している。
飛鳥がしばしば直江津港に寄港した縁で、JR東日本の直江津駅は飛鳥の外観を模して建設されたが、飛鳥Ⅱは巨大過ぎて入港不能、北陸新幹線は立ち寄る事もない。
遠目で見る飛鳥Ⅱは美しいが、近くで見ると岸壁やタグボートによる傷が目立つ。富士山と同様に遠くから眺めるのが良いようである。