風来坊参男坊

思い付くまま、気が向くまま、記述する雑文。好奇心は若さの秘訣。退屈なら屁理屈が心の良薬。

巨船の航海 583号

2009年07月03日 05時12分52秒 | 随想
明治36年秋の未明、吹雪で荒れる津軽海峡で、青函連絡船「東海丸」がロシア貨物船「プログレス」と衝突沈没した。久田佐助船長は乗員乗客103人を退船させ、自分の身体をマストに縛りつけ、救助を求める汽笛を鳴らしながら船体とともに逆巻く波間に沈んでいった。過半数は救助された。

孤立社会の船長は、秩序維持の為に重い権限がある反面、最後退船の責務がある。そのシンボルが金線四条である。

終日営業の航海は、国家免許所持者の船長・航海士と甲板手が二人組で船橋に立ち操船を担当する。航海当直は午前0時から4時間ごとの6つの時間帯である。

ゼロヨン(0~4時、12~16時)は夜中の睡魔と闘う厳しい時間帯だから、中間管理職の二等航海士が悲哀を舐める事になる。

ヨンパー(4~8時、16~20時)は夜から朝、夕から夜に変化する、見張りに気を使う時間帯だから、経験のある一等航海士が担当する。

ハチゼロ(8~12時、20~24時)は好条件だから経験の浅い三等航海士の担当であるが、船長が指導する教育の場である。

日本船は船長・一等・二等航海士だけが日本人で、残りを外国人労働者に依存し、貨物を移動して金儲けをしている。こんな事で次代の船長が育つのだろうか?

船舶の人間社会は高度階級社会で船長を頂点とするビラミッドが構築されている。航海の人間関係の連鎖の互選で船長は決まる。

海の生態系では食物連鎖のピラミッドがあり、植物プランクトン→動物プランクトン→イワシ→アシカ→シャチが頂点にいる。オキアミを食べる大食漢の鯨は鰯と同レベルである。

日本国の船長である内閣総理大臣は三代継続して日本丸を放棄して逃げ出した。シャチでなく鯨だった。金を食う鯨だった。大不況の荒海を航海する麻生太郎船長は、どちらだろうか?殉職できるだろうか?

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