一日米三合 ５９７号

江戸幕府将軍家４００万石、加賀藩前田家１０２万５千石、薩摩藩島津家７７万石、仙台藩伊達家６２万５千石、尾張藩尾張家６２万石、紀州藩紀州家５５万５千石。価値判断の基準は米だった。

警察官である与力の最高額は２００石、旗本は１０００石、老中や家老でも１万石が限度だった。

一石は十斗であり、よって百升、千合ということになる。一合は約１５０グラムであるので、一石は１５０キログラムとなる。自主流通米ならキロ５００円とすると７５０００円である。

聖徳太子の大化の改新の時に、一年分の米一石を生産する面積を一反と定めた。３６０で分割した単位が一坪で一日分米３合を生産できる。太閤秀吉の検地から３００坪に変更された。現代人の米の年間消費量は６０ｋｇで、１２０坪で事足りる。

１５０万円の米を生産する為には、２０反＝２町＝６０００坪の水田が必要である。大相撲の土俵は５坪弱、サッカーピッチは２１６３坪、甲子園球場のグランドは４４５４坪。農業の土地生産性は低いのである。戦後西洋科学の落ちこぼれは尺貫法が好きで、理解し易いのである。寺社建築に代表される職人の寸法は特許だった。

持続可能な一次産業を粗末にする政治は、最終的には敗北するのである。強欲な権力者の戦闘の兵士にされた農民は、戦いに敗れても農業に帰る強さがあることを、黒澤明が七人の侍で訴えたのである。アメリカは荒野の七人で同感の意を示した。