神無月に種蒔きした大根が師走になり、収穫の時期を迎える。長い間、待たされた。美味いだろう。
経済大国の日本は、待たずに何でも手に入る便利な社会体制が完成した。完成は崩壊の始発駅。
自動車はローンを組み、発注すると程なく納車され、待つ事は無い。3ヶ月前に予測生産した古い車を届ける。
料理屋は活き締めにし、動く刺身で新鮮を売り物にする。本来は不味いのである。蛋白質が分解する余裕が無く、旨味成分のアミノ酸が存在しない。
忍耐強く待つ事が出来るのは農業人で、獣を求めて山に入り捕獲するのは工業人。
JITで即納するTOYOTA、プリウスで待たせるトヨタ。ようやく世界企業を脱皮し、日本の企業に回帰した。