風来坊参男坊

思い付くまま、気が向くまま、記述する雑文。好奇心は若さの秘訣。退屈なら屁理屈が心の良薬。

メセナは心の銀行業務 402号

2008年11月22日 18時31分06秒 | 比叡山
メセナの語源はローマ帝政時代の初代皇帝アウグストゥスの政治参謀で貧乏芸術家を援護したガイウス・マエケナスの名に由来するフランス語である。

1990年代初頭のバブル景気の頃には、金に糸目を付けない派手なメセナ(企業の行う社会貢献活動)が盛んに行われた。

転勤で彦根市に住んだ「おいら(私)」は、バブル景気に懐疑的になり、滋賀銀行メセナの「けいぶん」主催である比叡山延暦寺居士林の参禅会に応募したが、満員で断られた。

翌年、担当の女性から美しい文字の直筆の手紙を頂き、好奇心旺盛な心の風来坊は参禅した。企画立案した若い総合職の担当者だった。

10時に集合、寺の粗食を頂き、写経・読経・座禅・作務や赤松光真師の法話など作法に従い粛々と遂行する一泊二日の小僧生活である。

以来、女性からの直筆の招待状に恋焦がれ、真夏の西塔・釈迦堂を七年間継続して訪れた。お寺の関係だから派手な色恋沙汰でなく、ささやかな心の浮気である。心の恋人は娘風から尼さん様に変身した時、別の企画担当者として栄転し、心の恋愛劇は幕を下ろした。

一人ひとりちがっていい」の3部作の著者の居士林責任者の赤松光真師は幼稚園の園長だった。息子に与えるエッセイ集である。

天台仏教思想を学び、役職定年で退職・再就職や援農奉仕活動・四国遍路など違った分野に興味の目を向ける発想転換と実践する心の眼を開いてくれた。

西洋科学物欲主義のバブル景気のモノカネ万能社会は儚い一時のお祭りだった。第二次バブル景気は石油文明の覇者の自動車産業の低迷で脆くも崩れ去った。

おいらの国は、千年も八千年も、細かい石が大きな岩になってそれにさらに苔が生えるほどまで、永遠に続きますように。 日本国の国歌である。

外圧による敗戦症候群の患者を脱し、伝統の日本文化を思い出し、物質的には貧しくても心豊かな生活態度、そして山紫水明の美しい環境に朱鷺が舞い、コウノトリが子育てする高木、丹頂鶴が求愛ダンスする原野。全国に分散する多くの純朴な農民。おいらの国としてイメージする心の美しい日本である。

赤松光真師には金権体質の構造に、心の有様を加味した心物の平衡した神仏社会が存在することを教えて頂いた。金の蓄財の銀行より心の豊かさの銀行。その案内役が心の恋人、若い総合職の女性であるが名前が思い出せない。

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