四国八十八所の墨蹟朱印の掛軸作成の遍路旅は、古希を迎え、気力体力が衰え、弘法大師と同行二人を断念し、女房と同行三人の車旅だった。
平成十三年の水無月2日~4日の2泊3日で1番~20番。
平成十三年の長月17日~20日の3泊4日で21番~23番、65番~67番、44番~53番。
生かされている命、その終焉は本人には分からない、一人旅で六年掛けて打ち終わった札所以外の寺の墨書朱印で棺桶に入れてもらう納経帳の空白を埋めることを優先した。
平成十四年の文月24日から31日で掛軸の空白52札所を巡拝し、葉月1日に高野山奥の院を参拝、その墨書朱印を頂戴した僧侶の紹介の法徳堂に表装依頼したものが昨日到着した。
掛軸代2万円、墨書朱印代4万5千円、表装代5万5千円、収納桐箱墨書代3千円、合計12万3千円が掛軸の直接経費、旅費など間接経費は二人分で数十万円。
心無い部外者には邪魔物なのだろうが、老夫婦が助け合い結願した世界で唯一の心の旅路の物語が表現された値千金の宝物、有り難いモノだ。