青春18きっぷは、JR旅客会社の普通列車が一日乗り放題となる、期間限定の特別企画乗車券(トクトクきっぷ)である。使用年齢に制限はない。主に学生などの春季・夏季・冬季休暇期間中に利用可能で、全国のJR在来線全線および宮島航路で使用可能。有効期間(春は41日・夏は52日・冬は41日間有効)の任意の日に任意の人間が単独で、あるいは団体が5日間あるいは5人が使用可能で発行額は単一発行額11500円であるから、1日分あるいは1人分は24時間乗り放題で2300円である。途中下車も許される。
自宅のある岡崎市を基点にした場合、始発電車に乗ると北は青森へ、南は九州八代まで、四国は宇和島・高知まで2300円で到達することが出来る。北国は東京行きの夜行の普通列車『ムーンライトながら』があるから辛うじて22時39分青森に到着可能であるが、北海道は津軽海峡線の最終電車に間に合わず不可能である。南は時間切れで鹿児島には行けず、ジャスト24時に八代駅に到達できることが、時刻表による旅で分かるのである。
きっぷの損益分岐点は日帰り旅行なら75kmで、名古屋を基点にすると東は豊橋・西は岐阜・北は中津川・南は松坂の往復である。
石勝線・新夕張~新得駅間の特急おおぞら・とかちと津軽海峡線・蟹田~木古内間の特急白鳥には乗車が許される。この間に普通列車が無いからである。人間的な配慮である。
しかし昔はJR線であったが並行する新幹線が開業したために経営体が第三セクター会社に変わり、青春18きっぷの利用対象外となった路線のしなの鉄道、IGR(Iwate Galaxy Railways)いわて銀河鉄道・青い森鉄道、肥薩おれんじ鉄道は迂回するJR線か別途運賃を支払い、他の交通手段を捜さないといけない。社会的弱者には国鉄民営化の弊害であるが、物・金万能社会の勝組はサービス向上を喜んでいるだろう。
信越本線の始発駅は高崎と長野であり、終着駅は横川と新潟である。田舎の窓口は上野駅ではないのである「嗚呼・上野駅」。東北線の終着駅は盛岡で、鹿児島本線の終着駅は八代になった。金の無い貧乏学生の青春切符による旅の範囲は狭められている。旅の好きな学生は、学問を放棄してアルバイトで金を稼がないとより先には行けないのが現実である。
ビジネスなど目的がある旅をする時に、交通手段の経済性が議論できるが、きっぷ消化の為の無駄な旅の経済性は存在しないのである。遊びなのであるから、無駄が多いほど楽しいのである。個人的な趣味である観音霊場巡礼が割安に遣り遂げられたから、趣味と実益が両立できた希な事例であると自己満足している。
国鉄分割民営化後、熾烈なサービス戦争がJR各社間で始まっている。JR四国の特急列車の格安きっぷを発見したので、誕生日月の3月に四国遍路旅の際に利用したいと思い、最大の経済性が発生する経路を時刻表で検討している。旅の楽しさは準備の段階から始まっているのである。
巡礼の心の旅路に、現実的な経済性を話題にするのは企業戦士の残像があるのである。経済をテーマにすると面白いと思うのは、もの・かね社会の優等生なのかもしれない。心の葛藤が解決できないから遍路旅に心が向くのである。
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