本治、標治を古代中国の文献である『黄帝内経(素問、霊枢)』に当たってみた。 自身の想像と違って、本=先の病、標=後の病として述べられている。 『霊枢概要』(神麹斎著 ヒューマンワールド刊)によると「何かが原因で症状が発生し、その症状がまた原因となる場合、原因あるいは先に生じていた症状を先に治療すべきである。」と。 『素問 標本病伝論第六十五』でも同様のことが述べられているようである。 古代中国と . . . 本文を読む
本治、標治を考える古代中国の鍼灸医のアタマの中を視る。 「同じ病の患者に同じ施術をしても、ある患者には劇的に効き、ある患者にはそれほどでも無い。何でだろう?」 「人間は人それぞれに、背の高い低い、力がある力がない、走るのが速い走るのが遅い......と持って生まれた性質があるのだが、病についても同じように病が治りやすい人と病が治りにくい人があるのではないのだろうか?」 「それは人間にあっては . . . 本文を読む
鍼灸の本治、標治ということの歴史を見ると驚いたことに、それは昭和のはじめごろに始まる。経絡治療を誕生させた人々によって、である。 確かに『霊枢』にその記述はあるものの、経絡治療以前の鍼灸師の施術は、風邪にはこのツボ、脚気にはこのツボ、不眠にはこのツボ......であって、それが治療の全てであった。それゆえに、標治も本治も無くである。 それゆえに、知らない病に対しては、お手上げとなってしまい、 . . . 本文を読む