テーマと実施時間は次の通りです。
第1テーマ:生産者と消費者が共にする食卓・命を育む運動―ハンサルリム生協運動、そしてスローフード【10月2日(水)10:00~17:30
スンチョンで4月20日から行われている庭園博覧会の入場者数が26日目で100万人を突破、17日、18日の両日はそれぞれ9万6千人を超えました。これで10月20日までの6ヶ月で400万人という組織委員会の目標も600万人に修正されたそうです。韓国経済新聞5月18日
ブログの書き込みで「化けるかもしれない」と予想しましたが、まさかここまでの勢いになるとは、驚きです。13日から15日まで長崎県議の楠さんたちとスンチョン湾に行ってきましたので、そのレポートをかねて、庭園博覧会の成功の秘密を考えて見ましょう。
今回の視察は、諫早湾干拓事業の調整池の水門を常時あけるという決定を支持し、諫早湾をはじめとする有明海の自然の再生を願う人たちが中心です。長崎県議の楠さんや島原市議の松坂さん、南島原市議の金子さん、鹿児島大学の佐藤先生、熊本保健衛生大学の高橋先生、映像ディレクターの井出さんなど、総勢10名。2泊3日の短い日程でしたがとても中身の濃い視察となりました。
まず初日は夕方にスンチョン湾に到着、簡単にレクチャーを受けた後、さっそく展望台まで登りました。2日目は午前中にスンチョン市議会を訪問、そのあとスンチョン湾の遊覧船に乗り、その後営農組合の組合長のインタビュー、お昼ご飯の後、庭園博覧会の会場へ移動して、組織委員会の事務局長と面談、庭園博覧会の内部を見学、夕食はかつて公園の中で営業していた食堂でウナギとムツゴロウ汁、ここには<全南東部地区社会問題研究所>といNPOの代表も同席、スンチョン湾の現状について質問をしながら食べました。
3日目は、午前中、楽安邑城(ナガンウプソン)を見学、ここでは韓国伝統音楽の体験もしました。3日目の昼食でようやく肉(サンギョプサル)を食べることができました^^ という、かなり盛りだくさんの内容で、いろいろと考えることも多い視察でした。
初日のお昼ご飯は高速道路の休憩所で。右側が鹿児島大の佐藤先生、一生懸命混ぜています。
スンチョン市役所スンチョン湾運営課の課長さんと楠県議。お土産は島原のお菓子です。
夕方、到着したので比較的空いていて、ゆっくり見学できました。
わかるかな、ムツゴロウが干潟の上で跳ねています。
展望台から夕日を浴びながら干潟を見学しています。
で、初日の夕食。モデルは映像ディレクターの井手さん。布川事件をあつかった「ショージとタカオ」の監督さんです。スンチョン駅前のロータリーの裏にある韓定食のお店。わずか1万ウォンでテーブルいっぱいです。なべはプルナクジョンゴル(焼肉と手長だこのなべ)。
翌日の朝、駅前市場の見物です。スンチョンには駅前市場、上市場、下市場の3つの伝統市場があり、どこも人気があります。駅前市場はスンチョン市内の食堂が食材の仕入れに使うそうで、偶然、夕食の予約をした食堂のご主人とばったり。野菜や海産物がたくさんありました。やはり、観光客が多いので、食堂などは繁盛しているようですね。
諫早ではほとんどお目にかからない魚介類もこちらではたくさんあります。タイラギ、アサリ、ハイ貝など干潟から採れるものがたくさんあります。スンチョンだけでなくモッポなどのほかの漁港からも来るそうです。
この駅前市場、朝5時ごろから商売をしてます。半分ぐらいが午前中で終わり、残りは夕方までやっているそうです。このあと、宿の近くの食堂で豆もやしスープご飯で朝食。本場でないので、まあまあの味かな。
うれしそうな(?)楠議員が諫早の名物のお菓子を渡しているのがスンチョン市議のリュ・ヘスクさん(行政自治委員長)。庭園博覧会のため、議長は面会客が多く(この日は8件)、リュ議員が代理で出席してくれました。
議場での記念撮影。議員席の前にはタッチパネル式のPCディスプレイがあります。
さすが、韓国。ITは日本より進んでいますね。
さっそく、議員席の前に座り、証拠の記念写真を撮影。
市役所の前での記念撮影。
その次が、スンチョン湾の遊覧船。これに乗らないと、スンチョン湾に来た気がしませんね。
遊覧船のあと、スンチョン湾自然公園の前にある田んぼ、59haで米つくりをがんばっている営農組合の金さん(フルネームは忘れました)との面談。塩の被害はないか、高潮のときはどうするか、有機での米つくりは大変じゃないか、などいろいろな質問が飛び交いました。これについては、今度きちんと調べてみます。(続く)
スンチョン市では今年4月20日から10月21日まで<2013スンチョン湾国際庭園博覧会>が行われます。どんな博覧会なのか、HPの説明は次のようになっています。HPはこちら。
2013年4月から10月までの6ヶ月間、生態系の宝庫である順天湾一円1,112千㎡の広大な広さで開かれる国際庭園博覧会は、150年にわたってヨーロッパなどの先進国で普遍化されてきてもので、現代に至っては都市の再生と環境計画の一環として発展しており、多様な形態の生態庭園が造成されて時間が経てば経つほど樹木や花が調和し、その価値が高くなるという未来型博覧会です。
地球上で一番完全に保存されている世界5大沿岸湿地である順天湾とともに世界最高の生態庭園を保有する順天市は、大韓民国を代表する親環境生態都市、グリーン成長先導都市として生まれかわることでしょう。
博覧会の開催を成功させるために皆様の積極的なご参加とご声援をお待ちしております。2013年には順天にお越しください。
この博覧会については、市の担当者から説明を聞いたこともあるので、どんなものであるかだいたい想像はついていましたが、今回、庭園博覧会の現場を見る機会があり、想像以上だなとかなり心配になってきました。僕の心配が外れることを祈っていますが、果たして<スンチョンの冒険>は成功するでしょうか?
工事中の会場。
工事のおかげでほこりだらけになりました。
まず、博覧会の目的が、いまひとつわかりません。日本語版HPなどにはほとんどかかれていませんので補足説明をすると、現在28万人口のスンチョンの街がどんどん拡大し、スンチョン湾にせまろうとしている。これを食い止めるために、町の中心部とスンチョン湾の間に緩衝地帯を作るという案が作られ、そんな緩衝地帯として庭園博覧会で作られる公園を活用しようというものです。
ここで疑問、全羅南道でも数少ない人口増加の自治体ですが、スンチョン湾にせまるほどの大量の人口増加とは思えません。もちろん緩衝地帯は必要かもしれませんが、博覧会で作らなくてもいいはずです。
この建物が湿地センター、立派です。
豪華な湿地センターや無人のモノレール(PRT)などの新しい施設が作られていますが、はたして博覧会の後の利用は大丈夫なのでしょうか? 湿地センターには国際会議のできる会議場などがメインのようですが、それだけ会議が行われるのか疑問です。それ以上に怪しいのが無人運行のモノレールです。
このモノレール、1両に6名から8名乗りで、庭園博物館の会場内に立てられた湿地センターの前から出発しますが、到着はスンチョン湾湿地公園にあるビジターセンターでなく、それより1キロ以上上流にある<文学館>という施設までつながります。1分で1両が出発しても1時間で60両×8名=480名を運びます。でも、週末は1万人以上来るわけで、いったいどうやって来る人たちを処理するのでしょうか?
いまネットで検索したところ、往復で5000ウォンとなっていて、一般の交通機関と考えればかなり高く、アトラクションのひとつと考えれば納得できる金額かもしれません。ただ、乗るところも駅の前とかバスターミナルの前ではないし、降りるところもスンチョン湾のアシ原のデッキらかは1キロ以上離れているので、中途半端という感じがします。
モノレールの線路と駅
どちらにしても、今後年間の訪問者が現在の300万人から400万人ぐらいまで増加すると、市当局は予想していますが、だとしたら、現在の湿地公園の施設を拡充するほうが先ではないでしょうか? つまり、遊歩道の幅を広げたり、新しい遊歩道を作るなどして、アシ原の混雑を解消するのが先決でしょう。
また、現在、ほとんど有効な湿地教育、生態研究などができない状態でいるわけで、そこを充実する必要があります。せっかく、年300万人もくるのですから、その力を利用して、もっと生態教育に力を入れるのが重要です。
いろいろ書きましたが、スンチョンの庭園博覧会、不安なところがたくさんあります。ほんと、スンチョン市の冒険はどこへ行くのでしょうか?
記念品のコーナー、おしゃれな石鹸。
月曜日なので遊覧船はお休み。
写真を撮るキム・インチョルさん。
漁船もお休みです。
渡り鳥が来ているので立ち入り禁止。
麗水万博がはじまりました。聨合通信の記事は、こちらです。日本ではあまり報道されていないようですが、韓国のテレビでは連日ニュースやCMがながれていますし、インターネットでも広告がたくさんされています。
じつは4月の終わりに最後の仕上げをしている仕事の関係で麗水へ行ってきました。街の中も万博会場も工事中で、ほんとに間に合うのかなと心配になりましたが、大丈夫だったようです。
ここがソウルからの入り口になる「麗水(ヨス)エキスポ駅」。龍山(ヨンサン)から出発するKTX(高速鉄道)の終点です。ソウルから約3時間ちょっとで到着しますが、1日に10本ぐらい(だいたい2時間に1本)しかありませんので、週末は予約が大変でしょう。
駅前は工事中でした。下の写真はサイロを改造した世界最大のパイプオルガン(だったと思います)韓国人も世界最大や世界最長といったものが大好きな民族なので、あちこちでこんなうたい文句を見かけますよ。
正面ゲート前では最後の準備の真っ最中で、あちこちでクレーンが動き、荷物が搬入されます。
これが正面ゲート。この日は、最初のリハーサルで、見るからにアルバイト(!)といった若いスタッフが集まっていました。
正面の広場から会場を見たところ。けっこう、広いです。
エキスポホールのエントランス。ここでさまざまなシンポジウムが行われます。
中の会議室では各国のスタッフへの教育が行われていました。
会場前の風景。この道をずっと進めば堤防で陸続きになっているオドン島があります。
僕もはじめて知ったのですが、カラシナキムチが有名でした。次は食べてみましょう^^
エキスポを開催するにしては、麗水は人口30万にも届かない小さな街で、地下鉄もありませんから交通手段は車だけです。また、リアス式海岸の湾の奥にある街ですので、街中にはあちこちに小高い丘があり、道路もそれほど広くありません。そのため、期間中は市内に駐車場を何箇所か作り、そこからシャトルバスで会場へ行くそうです。
じつは6月29日に日韓共催のシンポジウムが予定されていて、その時に使用するホテルなどの下見をかねて、麗水へ行ったのでした。ここが6月に泊まるコモ・モーテル。人のよさそうなおばさんと日本語がちょっと話せるご主人の家族経営のところ。
ホテルの近くのコーヒーショップ。
ホテルの前は海です。夜はライトアップされる遊歩道があります。
朝鮮時代に船を作った造船所の跡地です。
たぶんこの食堂で朝ごはんを食べる予定です。
近くの食堂。ホテルの近くは食堂街。上の写真は貝料理の店。下の写真はサンギョプサルの店。たぶん、2次会で使うのじゃないかな。
このほかにも魚市場や伝統市場など、田舎!という雰囲気のところがあちこちにあります。万博自体の評価はさておいて、韓国の地方都市を訪問する絶好の機会ですので、ぜひどうぞ。シンポジウムの宣伝は、次回にしますので、お楽しみに。
国会議員の選挙は予想を裏切って与党側の勝利になりましたが、これについては、また後日お話しすることにして、4月4日から8日までの4泊5日で行われた韓国ツル越冬地訪問ツアーの報告をしましょう。今回のツアーには、ナベヅルの越冬で有名な鹿児島県出水市のツル保護&研究団体のメンバーと山口県周南市で活動しているメンバー、合計8名が参加しました。
4泊5日の短い日程で、全羅南道の順天(スンチョン)湾、漢江(ハンガン)河口、江華島(カンファド)と3箇所の越冬地と中継地を見学しました。スンチョン湾ではスンチョン市役所に勤務しているキム・インチョルさん、ハンガン河口ではおなじみのハン・ドンウックさん、カンファではカンファ市民連帯という団体のリーダーの一人であるキム・スンレ先生が案内をしてくれたおかげで、通常ならば見ることができないものも、いくつか確認できました。このような現地の状況を詳しくチェックしている環境団体や行政担当者のガイドがあると、本当に充実したツアーなりますね。今回も、ほんとうにお世話になりました。
いつものように通訳やガイドをしながらの写真撮影ですので、ところどころありませんが、ご理解を。では、どんどん紹介します。
まず、5日に訪問したスンチョン湾。このブログでも何回か紹介してありますが、年間200万人以上が訪れる韓国内でも有数な観光地になっています。この日も、中学生や高校生の団体が次から次へとやってきて、ぞろぞろとアシ原をあるき、展望台のある龍山へ登って行きます。
僕たちはそんな団体とぶつからないように、西側のアシ原から入り、堤防ぞいに歩いていきます。途中で、休憩所の屋根の吹き替えをしているのにぶつかりました。この材料は湿地に生えているアシ。毎年、4月から5月にかけて切り取り、屋根や目隠しの材料に使います。この作業をしているのが、地元の農家の人で日当をもらって作業をしているそうです。
アシ原が緑でなくても、やっぱりきれいですね。自然が作ったわくわくする景色です。
展望台は満員です。次から次へと修学旅行の生徒たちがやってきます。これだけ団体の利用客も多いので、だんだんオーバーユースになっているのも、よくわかりました。
今回の<ツル見ツアー>参加者です。とても天気がよさそうに見えますが、実は風が強く、鳥を見るのにはあまりよい日ではありませんでした。
翌日は、朝7時にホテルを出発、8時20分の飛行機でソウルに戻るという強行軍。キンポ空港でハン・ドンウックさんたちと合流して、イムジン閣へ向かいます。
ここは、イムジン閣で有名な自由の橋。私たちもそれぞれの願いをリボンに書いて結びました。
判鴎亭(パンクジョン)という朝鮮時代の楼閣からハンガンを眺めますが、今日も風が強く、鳥を見つけるのが大変です。
このあと、イルサン新都市の目の前にあるチャンハン湿地に入りました。ここは民間人統制区域の中にあるため、軍の許可が必要なところ。写真には写っていませんが、担当の軍人が同行しています。ちょうど、クロツラへラサギが遠くに見えたようです。
チャンハン湿地で有名なマングローブ状の柳。いま歩いていますが、満潮になるとあたり一面、川の水で浸かります。この柳の葉は地面に落ちても、1日2回満潮のときに水が来るので腐りません。その代わり、根っこ部分に棲んでいるカニが葉を食べているそうです。今年中には、軍の管轄から外れるので、遊歩道ができたりして接近しやすくなります。ぜひ、一度、訪れてください。
柳の群落からちょっと上がったところに田んぼがあります。ここに、ナベヅルとマナヅルが合計20数羽、休んでいました。みなさん、車の中から写真を撮るだけでしたが、韓国でようやくツルに出会えました。
このあと、イルサンの湖水公園へ行きました。ここには、タンチョウがいるのです!
ほら、本物ですよ。中国からの贈り物だそうです。大きいのでビックリしました。
4日目は江華島。湿地センターのムン事務局長の案内で見学です。ちょうど、地域の子供たちがやってきて湿地について勉強しています。
ここは、スンチョンとは180度反対の、小規模で手作り感いっぱいのセンターです。1年の訪問者が2万人ですから、スンチョンの100分の一ですね。でも、環境境域のいろいろなアイデアがぎっしりつまっていて、とても参考になります。
このイラストも、以前、働いていたスタッフの手によるもの。ここまでくるとプロです。
お決まりの巨大クロツラの前で、記念写真を撮ります。
お昼を食べた後、江華島をどんどん北へ向かいます。左手には北朝鮮が見えるという、こんな場所に4日前にツル(ナベヅルかマナヅルか忘れてしまいました、ごめんなさい)がいた田んぼを確認します。
この貯水池の反対側にツルがやってきたそうです。
ということで、4泊5日の旅を、ぎっしり凝縮して紹介しました。ツルひとつをとっても、日本と韓国で協力することが、たくさんありそうです。まず、今年の冬、同じ日に個体数のチェックをしようということになりました。これは、国際的にきちんと協力すれば、全世界での個体数がわかる訳で、とても大切な活動です。ツルがこれからも安心して暮らせるような環境を作るために、これからもさまざな交流が必要だと、痛感しました。
3月になって、2回目の書き込み。最近、ブログと縁遠くなり反省しています。気がついたら、10万人を突破していました^^ さあ、ちょっとがんばりましょう。
で、<両生類>の続きです。4日はあきる野市の横沢入という里山へ行きました。ここは、JRが開発しようとしたところ、反対運動が起こり、その運動の中で事業者がわの環境アセスが適当であることが暴露され、開発計画が進まないまま住宅市場の悪化によって、計画が放棄されたところです。その後、東京都が買い上げ、地元の協議会に里山の管理をまかせているところです(この説明で、たぶんあっていると思います。)
このぐらいの大きさなら、文字読めますか?
さて、3月なのでまだ緑が少ないですが、春になったらいいところだなと感じました。また、この里山の復元のために活動をしている西多摩自然フォーラムの力量が、ちょっとやそっとじゃないということですね。生物の調査を担当しているグループや林の管理を担当しているグループなど、多方面で活発に活動しています。そして、これは韓国の仲間もそうだといっていますが、<公園化>がほとんどされていないというところ。ふつう、こんな自然を残そうとなると、遊歩道のデッキを設置する場合が多いのですが、ここはそのままです(予算がなかったという背景もあるそうですが)。自然そのままで残していこうという姿勢は、とてもいいなと感じました。では、写真を紹介します。
尾根の向こう側は団地です。
外来種のアライグマなどを捕まえるためのワナ。アライグマは生態系を荒らすので、捕獲した後は殺処分です。かわいそうですが、生態系を守るためにはやむをえない処置です。
これがアライグマです。
キム先生、何を捕まえたんでしょうか?
たぶん、韓国にはいないイモリを捕まえて写真に撮っているところです。
というわけで、5日は八王子の川口地区で地域の人たちが雑木林の中に作っているビオトープを見学し、最終日の6日は鎌倉中央公園の里山を見学しました。僕自身、東京生まれなので、懐かしい風景をあちこちで楽しむことができました。
今回の交流会で一番印象に残ったのは、いままでは特定の種の保存だけが注目されていたが、いまはその地域の生態系の重要性が叫ばれているという説明でした。特定の種の保存だけの場合、ともすると専門の研究家がやってきて、こうしようと指導するだけで終わっていたわけですが、地域の保全となると、日常的に関わる人たちが大切で、ここにNPOや市民モニタリングの役割があると理解しました。
今回、初めての試みの両生類の日韓交流でしたが、これから市民モニタリングを中心に活発に展開されることを期待しています。
またまた、久~しぶりの書き込みです。というのも、2月の最終の週末は福岡で<日韓NGO湿地フォーラム>が行われ3泊4日で日本へ行き、3月の第1週の週末は<日韓両生類市民モニタリング>が東京で行われたため4泊5日で日本へ行ってきました。おかげで、ブログの更新がまったくできず、2週間ぶりぐらいの更新だと思います。
<湿地フォーラム>のほうは、この次、4大河川事業や江華島潮力発電の問題などと一緒に書き込むことにして、きょうは<両生類>のほうを書いてみます。以前このブログでも記事を書きましたが、昨年8月に韓国で行われた<両生類市民モニタリング>のお返しで、今回韓国のメンバーが日本を訪れたわけです。
ざっとスケジュールを書くと、
3月2日(金)日本到着、日本自然保護協会の事務所で打ち合わせと歓迎会
3月3日(土)高幡不動で<日韓両生類シンポ>ここでは、韓国側から3名が発表
3月4日(日)あきる野市の横沢入の里山で両生類モニタリング
3月5日(月)八王子の川口地区のビオトープ見学
3月6日(火)鎌倉市民公園の見学のあと、帰国
という、かなりハードなスケジュールで、観光などは一切なしの真面目なツアーでした。
2日は朝の8時にインチョン空港を出発するという、めちゃくちゃな時間帯の飛行機で一路羽田へ。(おかげで4時起き、5時のリムジンバスでインチョン空港へというハードな一日でした)羽田に到着した後、僕の個人的な好みで通産省前のテント村へ。韓国でもフクシマのことが気になっていて、いちど訪問して、直接話を聞きたいなと以前から思っていました。テント村へつくと、ちょうど韓国のハンギョレ新聞(進歩的な新聞です)の記者がインタビューをしています。僕たちも遠慮なしで入り、椎名千恵子さんというかたから、いろいろ貴重な話を聞くことができました。まだまだ収束なんかではない、これからどんどん被害が大きくなっていくのではないかと、心配です。椎名さんはじめ、みなさん、原発が無くなるまでがんばりましょう。
さて、そのあと4時ごろから日本自然保護協会でミーティングです。今回韓国からの参加者を紹介しましょう。まず、グリーンコリアからシン・ヒョンホさん。本来はソ局長が来る予定でしたが、山の中で調査をしていたとき、滑ってあばら骨を折ってしまい、自宅療養中。そのため、シンさんが急遽参加となりました。同じくグリーンコリア・インチョンからはケヤン山で両生類のモニタリングをしているキム・ウンヨンさん、グリーンコリア・テジョンからはジムグリガエルのモニタリングをしているコ・ジヒョンさん、韓国両生類保全ネットワークでモニタリング責任者をしているキム・テヒョン先生(ソサン高校)、最後に清州ヒキガエル生態公園でモニタリンの責任者のハム・チュンホさんの5名。それぞれの団体の特徴や、課題について報告しあいました。
翌日3月3日は高幡不動で<日韓両生類シンポジウム>が行われました。シンポの様子は西多摩自然フォーラムのブログなどに報告されていますので、感想をいくつか。
1 参加者が多い。一つの分野で100名以上の参加はスゴイです。今回の主催団体の一つ<トウキョウサンショウウオ研究会>の実力を実感しました。
2 両生類の危機的な状況は日本も韓国もほとんど同じであること。開発や田んぼの基盤整備など、原因も似ていますし、保全か開発かという対立になったときの解決の道筋なども似ていますね。日本の<横沢入>と韓国の<ウォンフンイ池>が残った過程なども、似ている構造があります。
3 今後の交流のための足がかりをつくれたなと、自負しております^^。じつは、この両生類シンポ、2年前ほどからいろいろと下準備をしてきたものです。去年の夏、韓国で日韓共同のモニタリングを行い、今回日本で行ってワン・サイクル終わったわけで、これからが本番ですね。これから数年ぐらいの長さの中期目標は、生物多様性条約締約国会議で<両生類保存>のため決議を行うというのが、現実味もありますし、具体的な力(法律による規制や国家予算による保全活動とモニタリング)も持てると思います。
4 日本と韓国でお互いのことを、まだまだ知らないことがたくさんあります。ぜひ、これを機会に、どんどん勉強しましょう。それにしても、カエルの卵を酒のつまみにしてしまうという報告、日本では衝撃だったそうですね。 (続く)
全体の様子。みんな最後まで集中して聞いていたのが、よくわかります。
韓国からの参加者、左からハムさん、シンさん、コ・ジヒョンさん、キム・ウンヨンさん、キム・ヒョンテさんには手作りの焼き物のプレゼントもありました。
朝鮮半島を南北に分断しているDMZ(非武装地帯)と民間人統制区域。この地域は南北の軍事的な対立のため60年以上にわたり人間の手が入っていない自然の宝庫になりました。この地域の生態系と生物多様性を保全し、南北の平和統一を訴えるためのキャラバンを行おうと思います。
東海岸の江原道から西海岸の江華島まで5泊6日の日程で各地の市民団体や行政担当者などと意見交換を行い、現場を直接訪問します。興味のある方は、ぜひ参加してください。
今、考えている日程を紹介しましょう。
5月2日 12時ごろインチョン/キンポ空港集合。専用バスで江原郡の高城(コソン)へ移動。◆宿泊:高城
5月3日 午前:高城統一展望台見学&周辺環境の調査。午後:楊口(ヤング)へ移動。民間研修施設<DMZ平和と命の丘>訪問、プログラム参加。◆宿泊:DMZ平和と命の丘
5月4日 午前:楊口一帯の調査。(ウルチ統一展望台見学)午後:鉄原へ移動。◆宿泊:鉄原
5月5日 午前:ツル渡来地&民間人統制区域内の集落訪問。午後:漣川(ヨンチョン)、または坡州(パジュへ移動) ◆宿泊:未定
5月6日 午前:板門店、統一村訪問。午後:江華島へ移動。◆宿泊:江華島
5月7日 午前:江華島でクロツラへラサギ観察。午後:インチョン空港へ(または、民間人統制区域内のハンガン河口のチャンハン湿地の調査。午後:インチョン空港へ)
* やはり、重要なポイントを回るだけでも1週間は必要なので、かなりキツイ日程になりました。どこかを省略して、そのかわりに1日ボランティアをする、という方法もあると思います。また、パジュなどで報告会をかねたシンポジウムというアイデアもあるでしょう。みなさん、どんどんリクエストをお願いします。
* なお、重要なポイントについては、のちのち関連資料をアップしますので、少々お待ちください。
さて、あっという間に今年も旧正月になりました。「あけましておめでとう」と年に2回、挨拶するのにも最近は慣れてきました。そういえば、八代の球磨川旅館の食堂に鏡餅がありましたっけ。家々の入り口には門松が飾られていて、久しぶりに日本の正月をちょっと味わいました。また、帰国の日はちょうど成人式の日で、ものすごい格好をした若者たちがあちこちに溢れ、なかなかの見ものでした。今回で<日韓こども自然観察会~球磨川に集まろう!>の報告記事は終わりで、これからは「日常業務」に戻りますね。じゃあ、残りの写真を紹介しましょう。
3日目(1月7日)は鹿児島県出水への移動日です。韓国でバードウォッチャーに有名な日本の都市のナンバー1が、この出水だと思います。やはり1万を越すナベヅル・マナヅルの越冬は、こちらでのよく知られています。
出水市ツル博物館・クレインパークいずみ
ここではツルの総数をカウントしている地元の荘中学校の生徒さんたちと学芸員の原口さんに解説をしてもらいました。
みんな真面目に聞いています。
荘中学校の生徒さん。彼らが保護地域にいるツルの総数をカウントしているのですが、彼らの先輩たちがカウント方法を「開発」したそうです。
アシスト役の大学生たち。かれらも小学生のころ<こども植物研究会>の自然観察会などに参加したメンバーです。
どんな展示を見ているのかな? みんな自分のお気に入りを見つけたようです。
こんなぐあいにツルの剥製も飾ってあります。
入り口で記念写真。
やっぱり、みんな遊び盛りの小学生。またまた遊び始めました。
ツル観察所。去年は鳥インフルエンザの影響でここは立ち入り禁止だったそうです。
中はこんな感じで、
外はこんな感じ。ツルだらけですね。
バスで移動して東干拓地へ。万が一を考えて、西と東の2つ、ねぐらを分散しています。こどもたちは、ツルの区別ができるようになったようです。
みんなで記念写真。
今回お世話になった方々。左から八代野鳥愛好会の高野さん、クレインパークの学芸員、原口さん。右が監視員兼地元の土地改良組合の委員長(すみません。お名前忘れました)
そのあと、高台にある公園に行って、ツルの越冬地の確認です。
8日は朝早く起きて、ツルを見に行きました。朝早いといっても6時半出発ですから、佐渡よりはましです。佐渡は4時ごろから動き始めましたから。
だんだん空が明るくなります。
やっぱり望遠レンズがないとダメですね。
やはり、朝が早いので寒い!
食堂の屋上で記念写真
ホテルで朝ごはんを食べてから、武家屋敷の見学です。出水の武家屋敷、なかなか見ごたえがあります。
一般公開されている家には入れます。
これ、小学校の門です。さすが!
この後、水俣へ移動して、熊本県の環境センターでごみの勉強です。この施設、なかなかの出来栄えです。
これは新聞紙などで作ったショッピングバッグ。
これは分べつごみの種類を説明しているコーナーです。このあと海沿いに北上し、途中の砂浜や岬などで八代海の素晴らしい景色を堪能しました。残念ながら、バッテリー切れで写真なしです^^
また、八代の球磨川旅館に戻ってきました。やっぱり慣れた所はいいですね。子供たちもほっとして、日本での最後の夜を過ごしました。
9日の朝です。韓国へ帰国します。ご主人夫妻、息子さんとスタッフ総出でお別れです。こんなところは、ビジネスホテルとは大違い。こどもたちも思い出をたくさん作ったようです。
球磨川旅館さん、また来ますね。
出発まで時間があるので、熊本で観光です。
忍者と一緒にポーズをとったり
お城の前で記念写真を撮ったり、みんな思いっきり楽しんでしました。
今回の交流は想像以上に充実した内容でした。最初に提案し、企画をした本人が言うのもなんですが、これほどスムースにいったツアーも珍しいですね。こどもたちが一緒だと、忘れ物や急病などで、1~2回はトラブルや事故がつきものですが、今回はパーフェクト。とくに八代の皆さんには本当にお世話になりました。報告集ができたら、送りますね。
さて、これからの課題を一言だけ。今年の8月ごろ、日本の子供たちが韓国に来るためにいまいろいろ準備をしていますが、それと同時に、<クロツラへラサギ基金>といったものを作って、僕たち自身でお金を準備して、現地交流や棲息地の保全や啓蒙活動を積極的に行いたいと考えています。これからもよろしくお願いします。