韓国雑記帳~韓国草の根塾&日韓環境情報センター&ジャパンフィルムプロジェクトブログ

韓国に暮らして30年。なぜか韓国、いまだに韓国、明日も韓国。2022年もよろしくお願いします。

ヴァンパイア検事2 - "Vampire prosecutor 2" Ep.1 & ゴールデン・タイム

2012-09-30 01:57:42 | 僕の韓流~ソング&シネマ

ヴァンパイア検事2 - "Vampire prosecutor 2" Ep.1

お気に入りのドラマが始まりました。OCNというケーブルテレビ局(映画で有名なCJエンターテイメントグループです)で人気のあった「ヴァンパイア検事」の第2弾です。主演は、あのハン・カインの旦那のヨン・ジョンフン。演技力はあるのですが、これといった代表作がない中で、このシリーズは待ちに待った代表作になりました。

ヴァンパイアが検事という設定もめちゃくちゃですし、血をなめるとその人が体験した過去がわかるという設定もかなりですが、出演者の雰囲気もよく、演出もケーブルテレビの準深夜帯の放映なので、非テレビ的な演出(ちゃんと見ていないと分からなくなるという演出です)が光っています。先日の放映では日本人の女優さん(さあ、だれでしょう)も出演するなど、サービス精神も満点で、これからの放送が楽しみです。この女優さん、またあとで登場するそうなので、たのしみです。

もうひとつ、ドラマの話を。

こちらは、つい先日、放送が終わった「ゴールデン・タイム」。救急医療をテーマにした病院ドラマです。医師免許を取得してから、漢方医学病院(韓国は西洋医学に対抗して、学部もありますし、漢方医の医者もいます)で働いている新米の医者。西洋医学の患者に飲ませるときは、漢方医では処方箋をかけないので、そのために雇われているという設定です。この主人公が急患の子供を助けられなくて、医者として、もう一度やり直すために、救急外科にインターンとして配属され、いろいろな経験を積み重ねるというドラマです。

ゴールデン・タイム Golden Time #03, 20120715

このドラマのすばらしいところは、スーパーマンの医者が出てこないこと。フジテレビのドラマででてくる、船の上で手術をしたり、ひとりで片腕の切断手術をしたりするという、現実を無視したスーパーマン医者がひとりも出てきません。

先日見た回にはこんなシーンがありました。妊婦が交通事故にあって、運ばれてきますが、心臓の鼓動がとても弱い。おなかの中に赤ちゃんがいるので、治療ができず、赤ちゃんを手術して取り出さなくてはいけないとき、急急病等には、インターンしかいません。結局、主人公が妊婦のおなかをメスで切り、病院に向かってる産婦人科の先生と電話で連絡を取りながら、赤ちゃんを取り出すシーンがありましたが、これなどは、設定が自然で、また産婦人科以外は、お産がとても難しいことが、うまく表現されていました。そのうえ、インターンだけで開腹したので、組織上は問題となるという、別のドラマも展開します。

最終回は、主人公がソウルの病院にレジデントとして就職するために、プサンの病院を離れるシーンで終わりましたが、そのあとに、いままでの患者のその後の様子がそれぞれ2~3カットで描写され、主人公たちはこの人たちの命を救ったのだと、なかなかしゃれたエンディングを見せてくれました。

この「ゴールデンタイム」、最近の韓流ブームの自制のなかで、日本のテレビで放映されるかどうか、分かりませんが、どうか、ぜひ見てください。韓国ドラマの質の高さ、センスのよさが、はっきりと分かるドラマです。

 


PSY(サイ) - GANGNAM STYLE (カンナムスタイル) M/V

2012-09-26 02:41:45 | 韓国あれこれ

PSY - GANGNAM STYLE (カンナムスタイル) M/V

 もはや、音楽の枠を超え社会現象になっている「カンナムスタイル」。このMVだけでも2億7千万人も見ているのですから、ものすごい勢いです。コメントの数も129万件ですし、ビルボードチャートもベスト11に入っているので、ベスト10入りも夢ではなさそうです。

 PSY(サイ)というとライブ、汗かき、といった若干キワモノ的な感じで見ていたのですが、これほどはじけるとは思ってもいませんでした。

 韓流ブーム、インターネットの発達、明るくてノリのいい楽曲、誰にでもできる馬ダンス、などいろいろな要素が複合的に絡まって、これほどの大ヒットになるとは思ってもいませんでしたね。果たして、この曲ひとつで終わるのか、あるいは、もっと楽しい音楽をどんどん発表するのか、これからが期待です。

 


イ・ビョンホンの「光海(グヮンヘ)ー王になった男」とキム・ユンソクの「泥棒たち」

2012-09-25 01:49:20 | 僕の韓流~ソング&シネマ

光海(Gwanghae): the Man Who Became the King - trailer

8月ごろから立て続けに韓国映画を見ていますが、そのなかでお勧めを2本、紹介しましょう。たぶん、この2本なら日本でも劇場公開するでしょうから、ぜひ足を運んでください。で、まず1本目がイ・ビョンホンが主演の「光海-王になった男」です。

じつはイ・ビョンホン、あまり好きじゃなかったのですが、この映画を見て、認識を変えました。難しい1人2役に挑戦しているのですが、その2役も王様と王様の影武者なので、だんだん本物の王様に似てくるという、微妙な違いを表現しなくてはいけない役でして、そのあたり、見事に演じ分けていましたね。

そのうえ、王様の日常生活、食事とトイレがリアルに再現され、こんな時代劇は初めてです。とくにトイレのシーンは大爆笑ですし、宦官とのやり取りも、なるほどと思いました。このようなシーンがきっちりと描写されているので、ドラマに奥行きが出てきます。

また、王様ですので、国民の暮らしについて言及する場合がありますが、この辺、いまの政治のあり方にも重なるところがあるので、印象に残ります。これらの魅力で、あっという間に300万人観覧したそうです。この分で行くと、年末の映画賞をかなり取りそうです。

 

泥棒たち(The Thieves, 2012) 

この映画と年末の映画賞でライバルになりそうなのが、この「泥棒たち」。マカオのカジノから何億というダイアを盗むという単純明快な犯罪もの。この監督、今までに、「犯罪の再構成」「タッチャ」などの犯罪ものを作っているので、期待してみましたが、大当たりです。

とくにアクションシーンはキム・ユンソクだけでなく、キム・ヘスク、チョン・ジヒョンなどが体を張って自ら演技をしていますから、迫力があります。最後のほうに出てくる、アパートの壁づたいに逃げて追いかけるというアクションシーンは、今までの常識を覆す面白さ。これだけでも見る価値はありますよ。

どうやら、アクションシーン(モッブシーンも含んで)は韓国映画のほうが日本映画より、テクニックもアイデアも豊富な感じです。火や火薬の使い方もうまいし。戦闘場面もすごいし。

僕が韓国に来たばかりの90年代のはじめは、アクションシーンはままごとみたいでしたし、今から考えると冗談みたいな作り方でした。(「将軍の息子3」のアクションシーンの撮影現場を見ているので) そんな状況に比べると、韓国がここ10年ぐらいの間に映画製作の面でも、レベルが上がったのがわかります。

まあ、泥棒たちが10人も出てくるので、話がややこしくなったり、説明不測で終わったりするのが常でしたが、今回の映画、そのあたりの交通整理もきちんとされていて、楽しい映画でした。

では、また。

追伸:つぎは音楽かテレビドラマでいきましょう^^  


パルダン有機農業と官民協議会

2012-09-13 01:30:17 | 環境問題&有機農業

 今週の金曜日、トゥムルモリでオーストラリアのセレス環境公園のメンバーとの懇談会が行われます。じつは、国土海洋部との和解の文書のなかに、この公園の名前が入っていて、このような<生態学習の場>をつくると合意してあるのですが、この環境公園には有機農業の農地やレストランなどもあるので、これからの協議のなかで具体的な話のときに参考になるわけです。

 もちろん、国土海洋部は4大河川事業の原則の一つである<河川敷での営農の禁止>については譲歩していません。となると、<生態学習の場>が営農ではない農業を実践する場になるわけで、まあ、この辺はこれからの協議によって決まっていくでしょうね。

 僕としては、2つ案があり、1つは水田を作り、ジャンボタニシにかわる有機農業の研究・実践の場になること。2つ目は牛とか豚とかの家畜を飼って、その糞尿の処理を人口湿地などで行い、モデルケースをつくること(ただ、これは周りが上水道源なので難しいでしょうか)

 とにかく、これから始まる官民協議会で独立した予算を持っていないと、何も決まらないでしょう。予算があれば、予算の執行をしなければいけない責任が生まれるわけですから、これは大切です。先日、シファ湖に行ったとき、<シファ地区持続可能発展協議会>のメンバーが、この点を強調していました。

 また、有機農業地を残したほうが、経済的にも潤うのだというシステムを作ることが必要ですね。これは、スンチョン湾の実践がとても参考になりました。湿地公園の中にある喫茶店は、スンチョン市で収穫したものだけでメニューを作っています。ですので、コーヒー、紅茶はありません。あるのは、果物ジュース、果物や穀物などのラッテ(さつまいもラッテは美味!)、ヨーグルトいろいろ(やわらかい柿にヨーグルトをかけたもの、これも美味!!)などしかありませんが、いまや1年で7億ウォンの売り上げがある<優良企業>になりました。回りの食堂も以前よりもっと繁盛していますから(年間200万人以上の訪問!)、湿地を守ったことが発展につながったと、肌身で感じているわけです。このようなビジネスモデルをトゥムルモリで行うことになるでしょう。

 最後に、この前の部ログで紹介できなかった最後のミサの様子をご覧に入れましょう。

スウォン教区の責任者の神父。ここで合計930回のミサが行われたことを報告しています。ぼくも10回ほど参加しています。

この日は、多くの神父が参加しました。やはり、カトリック教会の力はとても大きかったと実感します。

ちょっと離れて1枚とりました。この建物、ビニールハウスです。

この日は300名ほどが参加、座る場所も足りないぐらいでした。

上の2枚に写っている人が、ここで農業を続けていた4名のうちの3名です。

彼女たちは支援の人たち、だと思います。

毎週土曜日のミサで会ったチョ・ヘブン(ヨセフ)神父。カトリック環境委員会の責任者です。

4名の農民の一人、ソ・ギュソップさん。彼も測量のときに逮捕され罰金の判決が出ていますが、和解になると、この罰金はどうなるのでしょうか?

神父さんたちの記念写真。これだけの神父さんが930回のミサを支えてきました。

最後に農民と対策委員会のユン代表、スウォン教区の代表神父と記念写真。

この十字架、実は生木です。近くの修道院に移植します。ということで、最後のミサも終わりました。クリスチャンでない僕が何回か参加したのも、この十字架に感動したということも事実です。また、トゥムルモリの場所自体が、2つの川が合流するせいか、とても心が静まるところだからです。これからも、トゥムルモリの有機農地は多くの生命を育みながら、私たちに命の糧を与えてくれるとおもいます。

 


パルダン、トゥムルモリでの最後のミサ~韓国4大河川整備事業をめぐって

2012-09-05 12:13:06 | 環境問題&有機農業

9月3日(月)、京畿道、パルダン地区のトゥムルモリで4大河川整備事業に反対する930回目の「生命平和ミサ」が行われました。3年前から連日行われていた「生命平和ミサ」も、この日で最後となりました。マスコミの報道を紹介しましょう。

930日間、毎日続いて … 有機農施設自ら撤去中
(ヤンピョン=連合ニュース) キム・キョンテ記者 = 4大河川事業推進と有機農地の保存をめぐって3年間対立していた京畿道揚平郡トゥムルモリで最後の生命平和ミサが開かれた。
4大河川事業阻止カトリック連帯は、3日午後、揚平郡楊西面(ヤンソミョン)トゥムルモリで司祭と信徒、農民など 300人余りが集まった中で 930回目の生命平和ミサを行った。
生命平和ミサはトゥムルモリで 4大河川事業に反対して有機農地保存のために 2010年 2月 17日から、毎日同じ時間に南漢江と北漢江が合流するこの場所で行われた。
全国集中ミサの時には 1千名余が参加し、少ない時には 3~4人しかいないときもあった。
この日、ミサを担当した水原教区のチェ・ドッキ司教は「(生態学習場を作るという仲裁案に合意したが) まだ終わっていない」と発言、「生態公園をどのように造成するか、農民たちがどのように暮らしていくかまだ分からない」とこれからも注目するように訴えた。(以下略)連合ニュース

今後は、国土海洋部、京畿道、楊平郡、農民代表、カトリック司祭など8名で構成された<官民協議会>で具体的な内容を決めることになっています。国土海洋部はトゥムルモリが河川法上では河川敷に当たるため、いっさいの営農を認めない立場を崩していません。農民側は公園やスポーツ施設でなく<生態学習場>を作るのだから、当然農業は続けていかなくてはいけないという立場です。たぶん、1回や2回の話し合いでは終わらないでしょう。河川法自体を改正しようという動きも出てきそうです。

どちらにしても、開発と保存をめぐって<官民協議会>で調整しながら解決をしていくという方法は、韓国では時々見かける方法です。チョンジュのヒキガエル公園でもありましたし、スンチョン湾の湿地の保存に関してもあります。また、規模がとてつもなく大きいですが、シファ湖の環境改善と周辺整備、それにバランスの取れた開発のために<官民協議会>が作られ、ここは法律でも定められた機関になっています。この<官民協議会>の内容や実績について、詳しくチェックする必要がありそうです。