韓国雑記帳~韓国草の根塾&日韓環境情報センター&ジャパンフィルムプロジェクトブログ

韓国に暮らして30年。なぜか韓国、いまだに韓国、明日も韓国。2022年もよろしくお願いします。

金剛山(クムガンサン)観光のこと 2

2008-07-29 17:11:34 | 韓国あれこれ
 金剛山観光にはいろいろな批判がありますが、なぜ北朝鮮に外貨を儲けさせるのか、という批判が一番強いようです。日本でも拉致問題が解決していませんし、韓国のなかでも北朝鮮に対する不信と非難は強いものがあります。

 実際、北朝鮮にとって金剛山観光や開城(ケソン)観光は、手っ取り早く外貨(ドル)を稼ぐ方法の一つです。北朝鮮の観光地では米ドルだけが使えるので、お土産を買うときも米ドルで計算します。僕が開城で飲んだコーヒーも1ドルでした。経済制裁を受け、国内経済も厳しい北朝鮮にとって観光客の落としていくドルは本当に貴重なものです。ですから、わざわざ北に行ってお金を使って、キム・ ジョンイルを助けるなんてダメだ、という意見もよく分かります。

 その上で、開城に行ったときの感想をちょっと書いておきます。
 北の入国手続きを終えると、バスの中に北側の<案内担当>が2名ほど乗ります。一番後ろと前に座って、観光客のチェックをするわけです。一番チェックするのは、写真撮影です。開城のばあい一般の道路も通りますので、北側の住民の様子を見ることが出来ます。でも、それは写真に撮ってはいけない。写真が撮れるのは決められた観光地だけになります。
 また、観光地でも決められたところだけを歩きます。お昼ご飯を食べた<統一館>という食堂でも、勝手に外に出てはいけませんし、建物の前の道を渡って食堂の全景を撮ることもできません。一般の人と出会うこともありません。このように制限が厳しいのは事実です。
 
 でも、観光地のなかでは、皆バラバラに歩きます。修学旅行のようなに列を作ってと言うことはありません。ですから、観光客も北側の案内担当も肩を並べて一緒に歩くわけです。僕も、隣を歩いていた案内担当の男性とちょっと話をしました。子供のこと、家族のこと、観光地のこと、などなど。たわいのないおしゃべりです。でも、彼にとっては日本人がウリマル(朝鮮語)を話すのに驚いた様子でした。僕も案内担当と個人的なことを話が出来て、いい体験をしました。

 入国担当をしている人や、観光スポットにいるガイド、食堂のスタッフ、お土産も屋のスタッフなど、いろいろな人と一言二言話をしました。これだけでも、貴重な体験ですね。行ってみてよかったと思います。
 また、北側の人たちも、少しずつ変わってきているのではないかと、感じました。これは<現代アサン>のスタッフも話していたことです。北側からみれば、外に向かって開放された<出島>みたいなものでしょう。南北分断後、今まで閉鎖されていた状況から考えれば、すぐに変えられるものでもありません。少しずつ、人と人が出会い、交流し、話し合って、お互いが変わっていくものでしょう。
 北朝鮮観光は、そんな貴重な場になっています。この場をなくしてはいけないし、平城(ピョンヤン)とか、白頭山(ペクトウサン)観光を早く実現させて欲しいと思います。そして、いつの日か、事由に北朝鮮を観光できる日が来ることを願っています。

江華島の伝燈寺(チョンドンサ)

2008-07-27 02:50:05 | 韓国のお寺
 江華島(カンファド)はソウルから1時間半ぐらいでいける所にある韓国で2番目(たぶんそうです)の島です。島といっても、橋で繋がっていますし、陸地と島の間は漢江(ハンガン)より狭いです。新村(シンチョン)発のバスで行くと、あっという間に橋を越して島に入ります。
 
 実はこの島、僕が韓国に暮らしだす前、一人旅で訪れたところなんです。当時は韓国語も挨拶と食べ物の注文ぐらい。それで、バスに乗って江華島まで行って、そこのバスターミナルで乗り換えて、伝燈寺(チョンドンサ)まで行ったのでした。正直、20年以上前の話で、お寺の様子はあまり覚えていないんです。ただ、お寺の前の食堂でビビンバを食べたのを、なぜか今でも覚えています。

  伝燈寺の山門

  このお寺には2~3年前に久しぶりに行って、お寺の前の麦ご飯が美味しかったのを覚えています。去年行ったときは、お寺の総務担当の人にも会って、いろいろ施設を見せてもらいました。ここのお寺もテンプルステイと言って、お寺に泊まって修業体験をするプログラムがあります。新しい宿泊棟を造っている最中でした。

 この島の文化観光解説員の中に、日本人の方が2人ほどいます。その方の話によると、最近、ガイドブック便りに江華島観光にくる日本人が増えたそうです。ここは、ソウルから近いし、食べ物は海と山の両方あるし、お寺や昔の遺跡や山や渓谷、渡し舟、海…など、魅力満載です。1日あれば、いろいろ見て回れますので、2泊3日のソウル旅行でも、2日目をここに当てれば、十分観光できますよ。いかがでしょうか? 

  工事中の宿舎棟、伝統的な造りが魅力的です

  供養館(食堂)です。とてもきれいで驚きました。

金剛山観光のこと 1

2008-07-26 12:35:54 | 韓国あれこれ
 最近、お金にならない仕事にかかりっきりで、ブログ更新ができませんでした。これからは、ちょっと頑張ります。

 さて、今日は金剛山観光のことです。今、金剛山観光は韓国人観光客が射殺されたため、一時中止になっています。金剛山には行った事がないのですが、同じ北朝鮮の開城には行った事があるので、開城観光で感じたことを含めて、今回の事件について書いておきましょう。

 昨日の(7月25日)のニュースで、今まで金剛山観光の途中、心臓麻痺などでなくなったか方が、いままでかなりの数に(20名ほど)なると報道されました。そして、金剛山の観光地には70歳ぐらいの医者と、看護婦がいるだけで救急対応がまったくとれていない状況だとも報道されたのです。

 これらの事実は今まで、金剛山観光を主催している<現代アサン>という会社からまったく知らされていなかった情報です。開城観光も同じですが、北朝鮮観光は<現代アサン>が独占しています。一時期、開城観光は他の旅行会社が行うというウワサも流れましたが、結局<現代アサン>が行うことになり、昨年の12月5日から始まりました。僕が開城に行ったのは、この初日でした。
 
 今回の金剛山観光での観光客射殺事件でも<現代アサン>の対応、特に情報公開という点について問題があるようです。また、イ・ミョンバク政権になってから、北との対話のパイプがなくなり、今まで作り上げてきた南北の対話や交流がかなり交代したという印象があります。外交、とくに朝鮮半島の南北はイデオロギーの対立や武力衝突があったわけで、対話や交流がとても難しいでしょう。今までの政権や民間の団体や企業が、粘り強く努力して、ここまで来たのでした。この対話と交流を、今回の事件で簡単に後退させていいのかな、という気持ちもあります。もちろん、北の<観光客射殺>という問題は、真相を明らかにして、責任をはっきりさせる必要があります。だからこそ、話し合って解決する問題だと思うのですが、僕の考えは、甘いのでしょうか。

 僕が南北の対話と交流について、体験したことがいくつかあります。次の機会にそれを紹介しながら、僕の考えをまとめてみましょう。
 

ガソリン代のこと

2008-07-17 03:30:35 | 環境保護&エコツアー(2011まで)
 ついに韓国もガソリン代がリッター当り2000ウォンを超えました。大体、日本円で200円以上! 大変な時代になりました。
 いままで、旅行関係の会社にいましたし、いまも旅行関係の仕事もやっていますが、これからは旅行の仕方がガラリと変わっていくのじゃないかと感じています。10人乗りぐらいのワンボックスカーに2~3人のお客にガイドとドライバーがのって、ソウル市内観光をする、というパターンが崩れそうな気がします。
 韓国人が普通に使っている交通手段(地下鉄、市内バス、鉄道、高速バス)を乗り継いで韓国内を観光するという方法が、もっと一般化するような気がします。はっきり言って、十分そのような旅行が出来る時代になったと思います。
 20年前と今を比べると、韓国内の移動ははるかに楽になりました。また、さまざまな施設もきれいになりました。乗り心地もよくなりました。ソウルから3時間ぐらいバスに乗れば、韓国の半分ぐらいはカバーできるようになりました。
 もう一つ、韓国語が少しでも分かるという日本人が、ものすごい勢いで増えています。韓国語で、食事を注文したり、切符を買ったり出来る人は、かなりの割合だと思います。聞き取りは難しいでしょうが、ちょっと苦労すれば通訳のガイドさんなしでも旅行できる人が、相当増えたと思います。
 こんな旅行が、どんどん増えればいいなと、思っています。いや、増やそうと思っています。僕自身、これからも、どんどん情報を流していこうと考えています。そして、こんな形の旅行も、エコツアーなのです。

独島のこと

2008-07-15 03:55:00 | 韓国あれこれ
 日本政府が中学校社会科の新学習指導要領解説書に竹島問題を初めて明記し、領有権を主張したというニュースは、韓国では昨日の夜のトップニュースでした。テレビでは、独島の行政区長の慶尚北道の道知事が独島に渡って抗議集会を開いたり、ソウルの日本大使館の警備が強化されたりとかの映像が流れてきました。
 しばらくの間、韓国内では反日感情が強まりそうです。とくに、アメリカ産牛肉の輸入問題で支持率が20%前後まで急落した李明博(イ・ミョンバク)大統領にしてみれば、ここで対応を誤れば政権自体の危機になるのは目に見えています。そのため、駐日韓国大使の召還など強攻策をとるようですね。

 さて、今後どうなるかということですが、まあ、日本人に対するサービスがちょっと悪くなったり、独島問題で議論を吹っかけられたりすることはあるでしょうね。極端な民族主義者(保守派)は日本大使館に連日デモをしたりするでしょうし、自殺騒動などを起こさねばいいなと、心配です(以前、ナイフでおなかを切った人がいたのです)。

 独島の問題ですが、韓国で見ていると、日本の分は悪いですよね。実際に韓国人は住んでいるし、韓国本土からウルルン島経由で観光旅行も行けるのですから。実際に、今、独島を<使っている>のは韓国なんですから。もちろん、不法占拠だ、という声も聞きますけど、だったらもっと早めに手を打たないと。今の時点で、「竹島、竹島」と言われると、他の目論見があるのではないかと、疑ってしまいます。結局、領土問題は、政治の問題であって、国際的な実益より国内対策という気がしてなりません。

 あと、一般論になってしまいますが、これで日韓の交流が中止になったら、最悪です。以前、教科書問題のときに、民間交流や子供たちの交流が中止になった事があります。これは、韓国も日本も責められるべきことであって、「抗議のために日韓交流を中止にする」などというレベルの低いことは、絶対にやめてほしい。
 もうひとつは、いわゆる<韓国キライ><日本キライ>の人たちの下品な書き込みもやめてほしい。時々どんなものがあるかチェックしていますが、思考というものがまったく停止した条件反射の文章で、ネットの空間を汚さないでほしい、とホントに思っています。まあ、しばらく騒ぎは続きそうです…。 

ポミの躾 パート2

2008-07-12 03:16:07 | ポミとチャングン
 ウンチやおしっこをちゃんと決められた場所でするし、ご飯もよく食べるポミですが、一つだけ問題があります。これだけが直れば、最高なのですが…。

 それは、子供を見ると急に吠えるのです。
 大人には吠えません。乳母車に乗っていたり、自転車に乗っていたりする子供にも吠えません。あくまで、歩いている子供に、吠えるのです。

 何度か叩いたり、叱ったりしても、直らないですね。おかげで、散歩に連れて行くときは大変です。僕がソウルで住んでいるところは、<アパート団地>といって、まあ、高層マンションが集まっているところです。僕の住んでいる棟の目の前にも小さな小さな遊び場があって、午後になると子供たちで一杯です。そんなとき散歩に連れて行ったらたいへんです。ずっと、吠え続けてしまいます。小さいマルチーズが吠えるのですから、犬好きなら、「あら、かわいい」と言ってくれますが、世の中、そんな人は少ないですね。自分の子供が吠えられたので、露骨にいやな顔をする人もいます。そんなとき、ポミはいっそう吠え続け、逃げて行く子供を追っかけたりして…。

 どうすれば、こんな癖を直すことが出来るか、ご存知の方いらっしゃったら教えてください。

 どっちが人形かな

 シャンプーあとのポミ
 

鳳停寺(ポンジョンサ)

2008-07-10 02:15:30 | 韓国のお寺
 この鳳停寺(ポンジョンサ)はイギリスのエリザベス女王が、1999年に訪問したことで一躍注目を浴びたお寺です。
 
 新羅時代の672年の創建ですので歴史も古く、韓国に現存する木造建築の中で最も古い(高麗時代)建物の一つである極楽殿があることで有名なお寺です。本堂の大雄殿も朝鮮時代の建物がそのまま残っています。
 
 高麗時代の木造建築が残っているお寺には、慶尚北道(キョンサンプクドウ)の栄州(ヨンジュ)浮石寺(プソクサ)と、忠清南道の徳山(トクサン)温泉の近くの修徳寺(スドクサ)があります。修徳寺のみ、1308年に建立したという記録が発見されていますが、この鳳停寺と浮石寺は正確な時期は分かっていません。そのため、どのお寺の建物が一番古いか、お互い気を使っているみたいです。
 
 鳳停寺に行くには、安東(アンドン)から車で行く事になります。安東市内から40~50分ぐらいで到着します。お寺の前は、食堂やお土産物屋もなくとても静かなところ。お寺の規模も小さくてこじんまりとしています。鳳停寺と比べると、浮石寺とか修徳寺は大寺院ということが分かります。
 
 僕が去年の秋行ったときは、境内で唐辛子を乾かしていました。そのそばでお坊さんがいろいろ働いています。普通のお坊さんと思ったら、ここの住職さんでした。とても人懐っこい笑顔で挨拶してくれました。こんな気取らない気持ちの温かさが、韓国寺院の魅力だとここでも感じたのを忘れることが出来ません。

 この鳳停寺、泊まることも出来ますよ。ホテルのような快適な施設はありませんが、山の中のお寺で1泊するのもいいものです。ぜひ、次の機会に泊まってみたいです。また、定期的にテンプルステイというプログラムもしているので、これに参加したら泊まれますし、夕方や明け方のお勤めにも参加できます。通訳の問題がありますが、これから多くの日本の方が参加して、韓国仏教を肌で体験してくれないかなと、いつも思っています。
 
*おまけ*
江華島の伝燈寺(チョンドンサ)で日本人対象のテンプルステイが8月に行われます。詳しくは、江華島で文化観光解説員の方のブログをどうぞ 江華島よりサランヘ
 
 鳳停寺の入口にある楼閣


 高麗時代の三重の石塔


 本堂の隣にある庵。ここに泊まれますよ。


 

一時帰国してきました

2008-07-09 00:31:37 | 韓国あれこれ
 先週、4日間ほど東京に行ってきました。
 その前は溜まっていた仕事を片づけるため、ブログのほうはお構いなしでした。これからは、また少しずつ書いていきます。
 で、5日の朝、羽田空港8時20分発のANAで韓国に戻ろうと、日本の家を5時ぐらいに出て、7時ぐらいに羽田に着いたのですが、朝早くから人で一杯。なんだこれは、と思っていたら中国語らしきものが聞こえてきます。
 到着の掲示板を見たら、香港からの直行便が着いたばかりでした。
 これは、ちょっとショックでした。羽田空港が、東アジアとの玄関になりつつあるのを、実感しました。