韓国雑記帳~韓国草の根塾&日韓環境情報センター&ジャパンフィルムプロジェクトブログ

韓国に暮らして30年。なぜか韓国、いまだに韓国、明日も韓国。2022年もよろしくお願いします。

キムチがない!

2010-09-28 07:33:02 | 韓国あれこれ
 最近、ロッテマートやEマートなどの大型スーパー、また家の近くの中型のスーパーでもキムチが姿を消してしまいました。特に韓国のキムチの代表選手の白菜キムチがほとんど見当たりません。

 今朝の新聞に、こんな記事が載っています。
 
 ソウル新聞記事(9月28日)

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 [ソウル新聞]白菜一株の小売価格が 1万ウォン台を越して史上最高値を記録した。来月の初めから中旬にかけて江原道の横渓(フェンゲ)などから白菜が出荷される予定だが、最近の気象異変で出荷量を予測することができず、キムチを漬け込む時期の来る11月まで価格が下がるのを期待しにくい状況だ。

 27日、農協直営のスーパー、ハナロ・クラブのソウルヤンジェ店によれば、白菜一株の価格が 1万 3800ウォンで秋夕(チュソク)直前より4000ウォンも上がった。農協関係者は「この日売場で白菜販売はほとんどなかった」「秋夕以後、個人消費者たちの白菜需要は減ったがキムチ工場の需要に追いつかず白菜の価格が上昇している」と述べた。

 秋夕連休が過ぎて、果物の値段は落ち着いてきたが、天気に最も左右される野菜の値段は価格上昇の勢いが続く見込みだ。白菜の場合、気温が下がり雨まで多くなり、出荷物量が不足するからだ。生育期間が70日以上であることを考えると、キムチを漬け込む時期の価格にも影響を及ぼすと考えられる。長ネギも一束、6150ウォンで、秋夕の前より 2000ウォン位上がった。

 ホームプラスなど大型マートも状況は同じだ。大型マート側によると、にら類とじゃがいも、さつまいもを除いた大部分の野菜類の価格が秋夕の前より 100~600% 上がった。ロッテマートも白菜と長ネギの値段が、それぞれ 118%,150%、上昇した。

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 実際、スーパーで買い物をしようと思っても、他のものに比べ野菜コーナーに商品自体ありませんし、あっても驚くほどの値段ですし、質もよくないので買うことが出来ません。カルビやサンギョプサルのお店でも、サンチュが高騰して出さない店が多くなったというニュースもありました。

 この野菜不足と高値は、かなり異常です。どこに原因があるのか、ちゃんと突き止めないと、韓国料理の世界化などと言っていられない状況になりそうです。

女子サッカー残念でした&超高層ビル建設ラッシュ

2010-09-27 02:18:43 | 韓国あれこれ
 昨日、朝から女子サッカーを見てしまいました。U17の決勝戦、まさか日本と韓国がぶつかるとは、以前ブログに書いた文章が現実になってしまいましたね。

 結果はPK戦で日本の負け。南アでのワールドカップもそうですが、日本人というのはPK戦に弱いのかなあ。韓国は一日中、お祭り騒ぎです。夜のニュースのトップも、女子サッカーの優勝で一色です。これから、日本と韓国、同じ世代でライバルとしてしのぎを削っていくんでしょうね。

 ネットでは、日本のN選手がサッカー選手らしくなく可愛いとか、韓国のI選手のほうが美人だとか、一部では騒がれているようです。

韓国のスポーツ紙<日刊スポーツ> 

 と、サッカーの話はこれで終わりにして、夜のニュースでちょっと気になったことを報道していました。

 今、ソウル市内に高さ500~600メートルもの超高層ビルが4つ計画されていて、2014年から2016年の間にどれも完成して、果たして経済的に成り立つのかという話です。
 
 ます、日本人にもなじみのあるチャムシルのロッテワールドですが、この向かい側に第二炉ってワールドが計画されています。ここはソウル空港という空軍基地の進入路になっていて、500メートル級の高層ビルは建てられない地域ですが、制限がはずされたようです。

 トクソムという場所には現代自動車が、ヨンサン駅の近くには国際ビジネスセンターが、そしてワールドカップ競技場の近くにも超高層ビルが建とうとしています。

 完成時期を調整すればいいのにと思いますが、どうもそう行かないみたいです。また完成後、オフィスに入居する会社や事務所はあるのかな? それでなくても、オフィスビルや住居と商業施設が一緒になったビルなど、がらがらなビルがけっこう目に付きますが、果たして超高層ビルは大丈夫なのでしょうか? 先日も言いましたが、そろそろ韓国の土地バブルが崩壊するのも、時間の問題ではないかと思いますが。

 

ものすごい大雨でした

2010-09-22 02:56:39 | 韓国あれこれ
 昨日は物凄い大雨が、とつぜん降りました。
 日本で報道されたかもしれませんが、ソウルの中心、光化門の交差点が水浸しになり、地下道にも雨水と下水の逆流でたいへんな事態。やはり、アスファルトだらけのソウルの街も東京と同じように局地的な大雨にはなすすべがないようです。

 洪水の被害をなくすために韓国のあちこちで4大河川整備事業をやっていますが、結局都心の局地的な豪雨には対応できません。排水能力以上の雨が降ると、都心は本当に脆弱だなと痛感します。

 また、土砂崩れもあちこちでおきています。大雨に対応するには川だけを整備するのではなくて、街全体を考えなくてはいけないのに、ダムをつくり川底の浚渫をするだけでは、都心部の集中豪雨には、まったく対応できないことが今回も証明されました。

 なぜ、川にだけこだわるのか、理解に苦しみます。9月上旬の台風が来た時は、雨の被害より強風の被害が目立ちましたが、災害対策というのは、本当に難しいものです。そのうえ、4大河川整備事業では、川底の砂を物凄い量で浚渫をしているのですから、整備事業が終わった後、むしろ川の水の浄化にはマイナスです。これから、眼に見える形で、4大河川事業の後遺症が、必ず出てくるでしょう。これから何年もの間、この事業が韓国の国土にどんな影響を与えたか、チェックしていくつもりです。

女子サッカーが凄いことになりそうですね

2010-09-19 02:23:23 | 韓国あれこれ
 今、トリニダード・トバゴで行われているU-17女子ワールドカップのベスト4に、日本・韓国・北朝鮮の東アジアの3カ国が進出しました。

 フル代表のランキングが、日本が5位、北朝鮮が6位なので、やっぱりU-17も強いなという感じですが、21位の韓国がベスト4に進出したのはスゴイですね。ついこの間、ドイツで行われたU-20の大会でも韓国は3位になったのですから、韓国女子サッカーのレベルはどんどん上がって、日本や北朝鮮ともあまり変わりないようです。ちなみに、日本は決勝リーグには進めませんでした。

 このU-20の大会で7得点を挙げたFWのジ・ソヨンが一躍スターになりました。この分だと、もうすぐアメリカのプロサッカーでデビューする可能性が高いです。韓国ではニュースで何度も流れましたが、気持ちよく点を取りますね。初めてスポーツニュースでゴールシーンを見た時は、驚きました。ゴール特集のユーチューブがあったので、ご覧ください。

(New) Goal Parade Ji Soyun - U-20 Women's WC Germany 2010


 また、ゴールキーパーのムン・ソリ選手がオルチャン(オルグリ=顔、チャン=優れている⇒かわいいとか美人の俗語です)だと、評判にもなりましたっけ。




 というわけで、最近韓国では女子サッカーの人気が急上昇中。準決勝は日本対北朝鮮、韓国対スペインなので、決勝で日本と韓国がぶつかる可能性もあるな。FIFAの公式戦で、日本と韓国のゲームというのは、今まであったのでしょうか? どちらにしても、楽しみですね。

 なお、U-17女子ワールドカップについては、こちらのHPを見てください。
U-17女子ワールドカップ 日本サッカー協会HP

泡瀬干潟を守る会の桑江さんがトップ当選!

2010-09-17 14:12:48 | 環境保護&エコツアー(2011まで)
 うれしいニュースです。

 沖縄の泡瀬干潟の埋め立ての反対運動をしている桑江直哉さんが、今回の地方選挙で沖縄市議会議員選挙に立候補、みごとトップ当選をしました。桑江さんからのメールを照会しましょう。

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ラムサール・ネットワーク日本のみなさま

泡瀬干潟の埋立問題を取り組んでいます。桑江直哉です。

 9月12日に行われた沖縄市議会議員選挙に立候補し無事当選することができました。無所属で新人、地盤もない状態での立候補でしたが泡瀬干潟を守り、沖縄市の観光の目玉にしたいという訴えが市民の心をとらえたらしくトップ当選することができました。

 沖縄では、環境を訴えては勝てない! という前例を破ってのトップ当選で多くの方に希望が持てる結果が出せたのではと私も嬉しく思います。ありがとうございました。

沖縄タイムス 記事

泡瀬干潟を守る会

 今後とも頑張って参りますのでよろしくお願い致します。

 桑江直哉


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 桑江さんとは、2008年のラムサールCOP10のときに、いっしょに韓国の西海岸の干潟を回った仲です。これからの活躍を期待しています。そのときの写真を紹介しましょう。




最近の物価高はすごいです

2010-09-13 01:55:40 | 梧南里(オナムリ)便り~韓国ニュースあれこれ
 最近の物価高、とくに野菜や果物の値上がりが激しいです。

 キャベツが一玉5,000ウォン、大根一本3,000ウォン、長ネギ一束4,000ウォン、ほうれん草一束3,000ウォンといったぐあいに、どんどん値上がりしています。

 再来週がチュソク、旧暦の8月15日、日本で言えばお盆みたいなものですが、チュソクや正月の前には、あ買いだめをする家庭が多いので、値上がりするのが通常でしたが、これほどまでに高くなったのははじめてです。

 僕の住んでいる南楊州、とくにオナム里周辺は中小スーパーの競争が激しいので、大手の御三家のロッテマート、Eマート、ホームプラスよりも安い傾向にあります。今上に書いた野菜の値段は、家の近くのスーパーで売っている値段で、大手の大型スーパーではこれより1割以上高い感じです。

 韓国の料理は日本料理と違って野菜を多く使いますが、こんなに高いと、気軽に野菜を使えなくなりました。食堂などでもサービスの野菜を出せなくなったというところもあるそうです。あのサンギョプサル(豚の三枚肉)にサンチュが出てこないのですから、事態は深刻です。

 こうなったのも、先週から今週にかけて台風と集中豪雨で、耕作地に大きな被害が出ているからです。また、夏の異常気象によって野菜の収穫もあまりよくなかったと聞いています。

 この秋から年末にかけて、電気料金や水道などの公共料金も上がるそうですから、僕のような庶民、というより、収入が一定していない人間には韓国も暮らしにくくなってきまし
た。

 
 ヤンジェにある農協ハナロマート。最近、魚も高いです。イカが2枚で4,000ウォンぐらいです。韓国人の好きな太刀魚は一番高いのが、なんと70,000ウォンぐらいしていました。

 
 おなじくハナロマートの野菜売り場。サツマイモは100グラムで400ウォンぐらいかな。他の野菜に比べて、最近は値段の変動がありません。
 

住宅バブルは崩壊するか?

2010-09-11 03:15:02 | 韓国あれこれ
SBSドラマ「ジャイアント」第1回


 最近お気に入りのドラマです。出演陣はちょっと地味ですが、80年代のソウル・江南地区の開発が背景になっているので、アジョシ向けかもしれません。わずか30年の間に、これほど風景が変わってしまったのも驚きです。

 ドラマの内容は韓流専門のHPやブログにお任せすることにして、このドラマでは主人公の建設会社とライバルの建設会社との、手段を選ばない競争が描かれています。この数回はソンパとコヨ洞の団地建設をめぐって、ストーリーが展開します。

 さて、このように80年代に立てられた団地を建て替えて高層マンションにしようというのが、いわゆる最開発です。15坪とか20坪程度の小さな5階建ての団地を、立て替えることで30坪とか40坪のマンションにするわけですが、高層マンションにするので戸数が増えます。このあまった家を売ることで建設費の一部にあて、自分の負担金を少なくできるということで、再開発は脚光を浴びるようになりました。完成した後は自分で住まなくても、転売すればもともとの価格+自己負担金以上の価格で売れるので、お金に余裕のある人は再開発の話のある団地を買いあさるようになり、どんどん価格が上がりました。

 わずか15坪程度の団地(いわゆる日本の公団アパートとそっくりです)が、7000万円とか8000万円もするのですから、ものすごさが分ると思います。有名な「ウンマアパート」などは持ち主の半分以上が投機用に購入したものです。なかには借金をして購入している人もいます。

 ところが、最近になって、状況が怪しくなってきました。まず、2~3年前に建設を始めたマンションの入居時期が重なって、未分譲のマンションが増えてきました。また、今住んでいるところを売って、新しいところに引っ越そうと考えていた人たちの計画が狂いはじめまいした。売ろうと思っても買い手がいないのです。こんな人たちの中には、自己資金が少ないため銀行からお金を借りている人が、かなりいます。日本円で1000万ぐらいはざらで、2000万とか3000万も借りている人がいるそうです。不動産担保でお金を借りると利子が6~8%ぐらいですから、2000万円で150万円ぐらいの利子が発生しますから、たいへんです。先日のテレビでは毎月25万円ぐらい利子を払っている人が登場しました。

 こんな状態ですから、新しいマンションはガラガラのところが多くなっています。よくても60%ぐらいかな。ですからマンションの中の商店街は不動産屋とクリーニング屋にコンビニと学習塾ぐらい。まともな生活が出来ないところもたくさんあります。

 政府はいろいろ対応策を出していますが、マンションは余り出して売れ残りが増えています。また、本当に自分の家がほしい人には、高すぎて手が出ないのが現状です。だって、ソウル市内だと、一番安いところでも坪当たり120万円ぐらい、20坪の小さめのマンションでも2500万円から3000万円ぐらいします。庶民には手が届かないですよね。ちなみに僕の住んでいるオナム里のマンションが1600万円ぐらいですから、ソウル市内はめちゃくちゃ高いです。僕のように郊外へ引っ越せばいいのに、通勤や学校のことで二の足を踏んでいる人が多いようです。まあ、1600万円にしても、庶民にしては大金ですよね。

 こんなわけで、そろそろ住宅バブルが崩壊する! というのが僕の予想です。早ければ今年中、遅くても来年の春ごろに、ドンと来るような気がします。まあ、予想が外れてくれればいいのですが…。

TO HEAVEN - チョ・ソンモ

2010-09-09 02:18:01 | 僕の韓流~ソング&シネマ
TO HEAVEN - チョ・ソンモ


 最近どうしてるのかな? と思って検索したら、ガラリとイメージが変わって、肉体派になっていました。ちょっと、ビックリで、がっかりです。

 この曲は98年のデビューCDに収録されたもの。いつはじめて聞いたか忘れてしまいましたが、心に響くメロディーと切ない歌詞がとても印象的でした。カラオケで歌いたくても、ここまでの高音は無理ですね、僕が歌ったらギャグにしかなりません。

 さて、最近なんとなく、ユーチューブを検索していて、このMVを見つけましたが、驚きました。なんで、こんなスゴイ俳優が出ているんだ! MVのデータを探そうとしましたが、98年に作られたということだけ分りました。最初は顔を出さないで、このMVだけがテレビで放送されたそうです。このデビューCDは150万枚以上売れたことも、今回初めて知りました。

 たぶん、90年代の中盤からの10年ぐらいが韓国の音楽業界が一番元気だったころだと思います。それで、MVもけっこう贅沢なものが登場しています。同じチョ・ソンモの「アシナヨ」はベトナム戦争の様子が描かれ、映画並みのスケールでした。

 これが、ここ数年ガラリと様変わりしたようです。まず、CDが売れないそうです。まあいいほうで制作費が回収できるぐらい。そのため、実力があってもCDが出せない歌手がたくさんいるそうです(キム・スチョルという歌手が自分で言っていました)。インターネットが早くから発達した韓国では、音楽ファイルをダウンロードして聞くというスタイルが早くから定着し、違法ダウンロードが多いために、正規のCDがどんどん売れなくなったわけです。そういえば、街中からCDショップが消え始めたのもこのころからでしょう。

 というわけで、話が変な方向に進んでしまいましたが、やはりチョ・ソンモには昔のような<バラード>を歌ってもらいたいですね。

 


久しぶりの日本映画~ゴールデンスランバー

2010-09-06 02:32:54 | 韓国あれこれ



 久しぶりに韓国で公開された日本映画を見ました。かなり期待して見たのですが、結論から言うと、物足りないというか、フラストレーションがたまる映画でした。

 まず、結末がモヤモヤです(以下、ネタバレありですので、ご注意を)。
 あれじゃあ、一生日陰者の暮らしじゃないですか。実の親に「痴漢は死ね」という習字を送ったって、仕事仲間の奥さんにカレの浮気をばらしたって、晴子から「たいへんよくできました」のはんこを貰ったって、青柳として生きることができないなら、意味ないんじゃないのかな。だって、車の免許もだめになるわけだし、住民票もないわけだから、どうやって生きるの? アパートも借りられないよ、と突っ込みたくなります。

 いくら巨大だとしても、自分を陥れた権力に対して、やりかえさなきゃ。やられたら、やりかえせ、でないのでフラストレーションがたまったわけです。信頼とか人との繋がりとかいうけど、普通の学生さんたちの適当なお遊びサークルで培った信頼とか繋がりなんて、そんなに重要なのかしら? 本当の信頼とか繋がりというものは、そんなに簡単に出来るもんじゃないよ、と言いたいですね。

 ストーリーも不満があるけど、映画自体のテンポもけっこうゆったりとしています。あんまり、必死に逃げているという感じがしません。最近の韓国映画と比べると、のんびりしているぐらいに感じました。銃を撃つシーンやカーチェイスにしても、韓国映画のほうが上だな。ナ・ホンジン監督の「チェイサー」やチャン・フン監督の「義兄弟」なんかを見て下さい。

チェイサーHP

義兄弟HP

 というわけで、久々の映画の話題でした。それにしても、平日とはいえ、映画館はガラガラでした。「ゴールデンスランバー」も韓国ではズッコケそうです。なかなか日本映画が韓国でヒットしませんが、一度ちゃんと分析する必要がありそうです。 

4大河川事業と龍山再開発

2010-09-03 07:59:12 | 韓国あれこれ
 7月22日から40日以上にわたって韓国4大河川事業の即時中止と見直しを要求して南ハンガンのあるイポ堰の上に篭城していた環境運動連合(KFEM)のメンバー3名が、8月31日の夕方、篭城を中止して地上に降りてきました。

 昨日(9月2日)ヨジュ裁判所で勾留審査(拘束令状審査)が行われ、証拠隠滅と逃亡の恐れがないということで、勾留請求が退けられました。ナクトンガンで20日間あまり篭城をしていた2名についても、すでに勾留請求が退けられました。

 このあたりは、日本とは違いますね。日本なら逮捕、イコール勾留でそのまま起訴され、起訴後(または第一回の公判後)に、ようやく保釈になりますけど、これは日本のほうが人権で言うと「後進国」なのでしょう。もちろん、篭城をしていた5人には刑事裁判と民事訴訟がまっています。イポ堰のほうは、1日300万ウォンの損害賠償が起こされているので、この公判もたいへんでしょう。

 YTNニュース

 日本で見られるかどうか分りませんが、連合通信のニュースです。

 と、ここで話題をガラリと変えます。
 韓国に来たことのある人なら、龍山(ヨンサン)という地名をご存知の方もいると思います。ソウル駅のちょっと南側で、全羅道方面のKTXの出発地です。僕がときどきレポートをしている南楊州パルダン有機農業地へ行くときも、この駅から出発している中央線を利用します。
 
 この駅は日本の植民地時代、軍部の中心地として大きく発展したところで、いかがわしい店や大きな車両基地が残っています。これをそっくり再開発しようという計画がもちあがり、韓国鉄道公社が民間企業と共に「韓国版ドバイ」のような国際ビジネスセンターを造ろうとしたわけです。

 ところが、有力な民間企業の一つのサムソン物産が、採算が合わないためこの再開発事業から降りることを発表して、いまヨンサン再開発は大きく揺らいでいます。

 ここ以外にも、開発バブルがはじけそうなところが、あちこちにあります。韓国土地住宅公社、ソウル住宅公社、インチョン住宅公社、キョンギ住宅公社など、公的企業は土地開発とアパート開発を乱発し、いま莫大な赤字を抱えています。

 4大河川再生事業の前にあった大運河構想は、民間資本による計画でした。ところが経済的に採算が合わないため、税金を使う4大河川再生事業になったと考えられています。治水や利水、水質改善や環境対策、そして雇用促進という名目であれば、税金を使うことに対する批判はかわせるためです。

 結局、開発型の経済成長、政治的・経済的な貪欲さによって、4大河川事業やヨンサン再開発は進められたものといえます。この路線は、韓国国内だけでなく海外へも、たとえばトルコや中東への原発の輸出や農業団地の造成(ロシアで進行中)、チリとのFTAの締結など、あちこちで見ることが出来ます。

 日本のバブルがものの見事にはじけたように、韓国経済もいつバブルがはじけるか、そんな時期が到来したと思います。