韓国雑記帳~韓国草の根塾&日韓環境情報センター&ジャパンフィルムプロジェクトブログ

韓国に暮らして30年。なぜか韓国、いまだに韓国、明日も韓国。2022年もよろしくお願いします。

日韓田んぼの生き物調査交流会の報告 その2

2011-07-30 11:18:52 | 環境保護&エコツアー(2011まで)

 韓国で集中豪雨をもたらした雨雲が日本へ移動して、新潟や福島では大雨だそうで、ちょっと心配です。新潟のささがみ農協の方、佐渡の皆さん、南相馬の方、みなさん大丈夫でしょうか。この豪雨については、あたらめてコメントすることにして、先週の交流会の写真をご紹介します。

 オープニングは<ホンソン農業技術センター>で行われました。韓国の自治体にはこのようなセンターがあり、農業技術の教育やIT教育や料理教室などが運営されています。

 オープニングの後の夕食、メニューはビビンパ。岩淵先生、佐渡の斎藤さん、大井さんの姿が見えます。食べ終わったころに、オリザネットの古谷さんと東大の棚田さんが無事に到着。

夕食の後、3つに分かれて分科会。僕は通訳で<カエルの調査>。というよりは観察会でした。場所は、ホンドンのムンダンリにある<環境農業教育館>の周辺の田んぼです。

田んぼがあると、すぐ近くに行く仲間たち。降りようとしているのは京都大学の向井さん。 

 暗くなるまで、PPTで韓国のカエルのお勉強。メンコンイ(ジムグリガエル)に人気が集中。日本雁を保護する会の呉地さんも、かわいいと気に入った様子です。

 ビニールの中のメンコンイ。やっぱり写らないですね。

 さて翌日は5つのグループに分かれて、生き物調査へ。写真はささがみ農協の荻野さん。

 僕のグループは<1㎡定量調査>。ホンソンで農業を始めて4年目のシム・ジェウォンさんの田んぼで調査です。

 ホンソンは韓国で初めてカモ農法を実践したところ。現在でも20%がカモ農法。70%がジャンボ・タニシ、残りの10%が生物多様性農法。

 生き物調査へ向かうオリザネットの古谷さんと宮城の青木さん。

 

 右に移っているのがクォン・ヘギルさん、今日のリーダーです。ホンソンのプルム学校の卒業生です。

 こうやって1㎡の広さを決定します。

 いっしょに生き物を調べているのが大井さん、佐渡生きものがたり研究所の仲間です。

 田んぼの横の小川で足を洗う。数日前の大雨で川底の砂が流れ、コンクリートをうった川底が見えていました。

 シム・ジェウォンさんの番犬。北朝鮮産の固有種です。

 生き物の分類をしています。

 シム・ジェウォンご夫妻。シッケ(お米ジュース)、マッコリ、カムジャジョン(ジャガイモのチヂミ)

 マッコリ、おいしいですね。

 ほかのチームのメンバーもやってきて、あっという間に大混雑。

 調べた結果を、シートに記入します。

 シャーレに分類された生き物たち。

 これが有機農業認定の看板。

秀明自然農法ネットワークの酒井さんと、ささがみ農協の荻野さん。

 生き物調査を終えた舟橋先生。埼玉でサギの保全運動をしています。

 京都大学の向井さん。やはりフィールドの研究者、足元は地下足袋でした。

荻野さんと古谷さんのお二人も、生き物調査ファッションが似合っていますね。

というところで、続きます。


日韓田んぼの生き物調査交流会の報告

2011-07-29 03:20:33 | 環境保護&エコツアー(2011まで)

 ようやく雨も小降りになってきました。

 田んぼの生き物調査交流会が終わったとたん、今週の火曜日からバケツをひっくり返したような大雨で、ソウル市内の山崩れの様子は日本でも大きく報道されたと思います。この山、行ったことのある山で(山というより公園に近いのですが)、こんな大惨事が起きるとは、驚きました。

 さて、先週の木曜日から3日プラス1日で始まった<生き物調査交流会>、日本からの参加者は28名。農家、研究者、NGOメンバー、生協&農協職員と、バランスのいい構成でした。農家は、佐渡、新潟ささがみ農協、福島県南相馬、秀明自然農法、兵庫県豊岡と農家を見ても、バラエティーに富んでいました。いつものことですが、通訳でどたばたしていて、皆さんとはあまり話ができず、もったいないことをしました。

 初日の関門は何と言っても、全員無事に揃うかどうか。とくに、一人で来たことのない方や、集合時間より遅く着くため、鉄道で現地入りする人もいて、若干心配でしたが、一人の脱落なしで全員集合。呼びかけ人の岩淵先生といっしょに、ほっとしました。

 今回の<生き物調査交流会>は初日の夜から農業技術、調査技術、カエルの観察の3グループに別れ、討論や観察を実施。通訳でカエルグループに入りましたが、はじめて<メンコンイ=ジムグリガエル>をみました。小さくて、なかなか可愛いカエルですね。田んぼに行き観察をしましたが、カエルの数を数えるのはやはり無理ですね。定量調査をするのなら、やはり産卵期の卵の調査をきちんとやらないとだめでしょう。その上で、おたまじゃくしの調査ができればいいのですが、どなたか良い方法を教えてください。

 2日目の午前中は5つのグループにわかれ、田んぼの生き物調査へと出発。僕のグループは<1㎡定量調査>。写真(あしたアップします)でわかりますが、1㎡の枠の中の生き物を捕まえて調査するのですが、どのくらいアミですくったのか、忘れてしまった! これが定まった回数や量でないと、データは比べられなくなりますね。どう、やっていたかな・・・(続く)


なでしこ、世界一!

2011-07-19 03:39:23 | 韓国あれこれ

 昨日は徹夜して<日韓田んぼの生き物調査交流会>の現行の翻訳をして、ちょうど終わった5時ごろ(だったかな)。ゲームは1対1のまま、延長戦に入り、ここからはテレビで観戦となりました。最近、韓国はケーブルテレビ放送のチャンネルが多いので、ほとんどの海外スポーツはライブで見られることが多いです。今回も、そのおかげで、沢選手の同点ゴールや、PK戦の様子などを、どきどきしながら見ることができました。

 それにしても、アメリカを破って世界1になるとは、ものすごいことですね。こちらのテレビニュースでも、スポーツニュースだけでなく、一般のニュースの中で報道されました。韓国チームは地区予選で敗退、ワールドカップの本大会に出ていないので、あまりニュースで取り上げられることはありませんでしたが、さすがに日本の優勝はアジアで初めてだと報道されました。

 まあ、僕のような素人が見ても、なでしこジャパンのサッカーは面白いですね。ボールも人もつながっていくので、すごいな~と感心しながら見ていました。本当にすごい、技術も精神力も。


希望バス、185台がプサンに集まる

2011-07-11 01:40:20 | 韓国あれこれ

 昨日の夜、検索サイトのニュース欄に「機動隊、催涙液をデモ隊に噴射、民主労働党の代表倒れる」という見出しが出ていました。

 今日のニュースではじめて知ったのですが、韓進重工業(造船と土木の会社です)のプサンにある造船所のクレーンの上で、キム・ジンスク民主労組プサン本部指導委員が篭城を始めて185日になり、これを励まし、整理解雇や派遣労働をなくすための「希望バス」プロジェクトが実施され、7000人以上の市民が参加したそうです。

 この韓進重工業の造船所は韓国でも最も古い造船所で、日本の植民地時代に日本の手で作られたという話ですが、人件費が高騰したので海外に生産拠点を移すために整理解雇を行おうとしたそうです。

 9日、19時から大雨の中、プサン駅前で集会(韓国語原文は“文化祭”)が行われ、その後デモ行進に移り、韓進重工業のヨンド造船所に言ってキム・ジンスクさんを励まそうとしたのですが、造船所の700メートル手前で警察のバスが阻止線を張っていました。そのため、機動隊とデモ隊の小競り合いのとき、携帯用の催涙液を機動隊が噴射し、国会議員で民主労働党の代表であるイ・ジョンヒ(女性)さんが倒れ、近くの病院に運ばれたそうです。また、50名ほどが連行され、その中には元国会議員で進歩新党のイム・サンジョン(女性)も含まれています。

 最近、韓国のあちこちで派遣が増え、大学を卒業しても正規社員になれるというのは10%もいない感じです。韓国に来たことのある人なら馴染み深いロッテマートやEマートなどの大型スーパーでも、店員のほとんどは派遣です。派遣の場合、給料は100万ウォン前後。生産現場よりは<待遇>が良いかもしれませんが、この給料では家賃を払わなければどうにか食べていける金額です。ぼくの連れ合いも一度、派遣で働いたことがあり、正社員との差別がいやになり、やめたことがありましたっけ。

 どちらにしても、来年、大統領選挙を控える韓国にとって、整理解雇や派遣労働の問題はだんだん政治的な争点になりそうです。で、面白い映像をユーチューブで見つけました。訳文の字幕処理をした方、ありがとうございます。使わせていただきますね。

 韓国も日本も共通の派遣の悲惨な現状を人形アニメを用いて、ユーモラスに描いています。いったい誰が派遣制度を考え出したのか、誰がこんな社会にしたのかと、なさけなくなります。

派遣労働者の生活_韓国 民主労総広報動画(日本語字幕)

 

 

 


いま注目のカン・ソラ!

2011-07-09 01:14:03 | 僕の韓流~ソング&シネマ

韓国の人気娯楽プロ<強心臓・カンシンジャン>にカン・ソラが登場! 

 日本の原発や韓国の4大河川のことばかり書いていると、精神衛生によくないので、今日はミーハーでいきます。

 さて先日紹介した映画<サニー>。ついに600万人観客を突破し、今年最大のヒット作になりそうですが、出演した俳優たちも注目を浴びています。特に僕のお気に入りが、チュンハの高校生時代を演じたカン・ソラです。娯楽プロに出るのが初めてで、挨拶していたら「座っていたらだめですね」と急に立ち上がって挨拶したらり、周りがタレントや歌手ばかりでとても緊張しているといったり、なかなか<四次元>で楽しいです。

 このあと、高校時代の写真が紹介されてびっくり。大学の演劇科を受験のためにダイエットをしたそうですが、20キロ減らしたそうです。ダイエットの秘訣は3食きちんと食べ、間食をしないこと。以前は、ケーキなら1つ(デコレーションの大きいやつ)、ピザなら一枚、フライド・チキンなら1羽という単位で、間食に食べていたそうで、これをやめて運動すればやせますね。下の写真で、比べてみてください。

 

 さて、今までが先週の話。今週は中学時代に<武侠小説=武士や導師などの戦いをテーマにした大衆的な小説>をインターネットの同好会サイトで掲載していた話が出て、これも面白かったですね。まわりの歌手やタレントを登場人物に見立てて、どんな人物かを紹介しましたが、これ全部本人のアイデアだったら、すごいです。まあ、こんな娯楽プロの作家は若い女の子が多いので、彼女たちにはまず書けないでしょうね。

  もちろん韓国語ばかりですが、途中に小説の題名や登場人物が漢字で出てきますので雰囲気を味わってください。いやあ、久しぶりにお勧めの女優です。

<強心臓>で<武侠小説>を説明するカン・ソラ


2018冬季オリンピック、韓国で開催!

2011-07-07 02:05:19 | 韓国あれこれ

2018 冬季オリンピック誘致プレゼンテーション/キム・ヨナ

 2018年冬季オリンピックに韓国の平昌(ピョンチャン)が決まりました。3度目の挑戦で、ついに誘致に成功しました。投票総数95票のうち、63票を獲得、ミュンヘンやアンシーを退け、圧勝です。

 さて、この日、投票の前に最後にプレゼンテーションがありましたが、韓国のプレゼンテータは、みんな英語で(それも、かなり上手い)堂々とやっているのに、驚きました。先日、東京がオリンピックを誘致しようとしたとき、みなさん英語でやったのかしら?

 僕の周りの韓国人、とくに環境運動にかかわっている友人たちは、あまり喜んでいないのが現状です。施設の建設、オリンピックの準備という名目で、開発がどんどん進んでしまうのではないかと心配しています。

 会場となる平昌(ピョンチャン)は江原道にあり、この地域はKTXも走っていない、4大河川事業も直接は関係ないと、開発から取り残された地域と言われています。そのため、最近、あちこちでゴルフ場を建設し(韓国ではゴルフ場は運動体育施設なので、私有地の強制執行ができるそうです)乱開発の恐れがあります。そんな中、冬季オリンピックですから、どうなるのか心配です。

 また、長野のように、オリンピックが終わったあとの反動も心配ですね。一時の雇用はなくなるし、作った施設は維持しなくちゃならないし、破壊した自然は元に戻らないし、これからオリンピック・モードに突入するので、きちんとした批判が人々に耳に届かない可能性もあるだろうな。

 まあ、でも、おめでとうございます。韓国の<国力>というものを見せ付けられた、という感じです。細かい説明は省きますが、かなり精密な戦略を立てて今まで誘致合戦をやっていたということがよくわかりました。冬季オリンピックでのメダル数もそうですし、アジアやアフリカ諸国への援助(スキー場への招待など)を見ていると、ものすごい専門家がスタッフとしてかなりの数がいるし、サムソンやヒョンデなどの企業のバックアップもあったでしょう。こんな韓国の姿を見ていると、日本はどうなるのかなと、ちょっと心配になりました。

 


ホンソンで電子出版を考える

2011-07-05 03:45:23 | 環境保護&エコツアー(2011まで)

 7月21日から行われる日韓田んぼの生き物調査交流会の会場となるホンソンの街に行ってきました。ここには有機農業や<対案教育>で有名な<プルム農業高等技術学校>があります。この日は交流会の打ち合わせのために行ったので学校を見学することはできませんでしたが、<環境教育院>や<プルム生協>などは見ることができました。

 佐渡に言ったときも感じたのですが、有機農業をしている地域はきちんと整理整頓されているな、言い換えると、なければいけない所にちゃんとそのものがある、という感じが田んぼから伝わってきます。僕の個人的な思い込みかもしれませんが、そんなエネルギーというか雰囲気というか、あるんですよね。

 ほんの数時間の滞在だったので知ったかぶりはよして、ひとつ思ったことを紹介します。どなたか、いいアイデアがあれば、教えてください。

 きっかけは、ホンソンのプルム学校を紹介する小冊子を見たからで、文庫本程度の本ですが、この地域にある関連施設が写真と文章で紹介されています。1ページに200から400字ぐらいで200ページぐらいの本です。

 これを翻訳して日本に紹介することはできないだろうか、紙媒体では経費的身難しいので、電子出版形式にして、たとえば500円ぐらいで1000人が見て、50万円。50万円あったら、翻訳料(僕がやるのですが)が30万ぐらいで、電子出版のHP維持費や編集費などの制作費が10万円、著者に印税で6%で3万円か・・・。

 たとえば、これを協同組合形式にして、語学能力があっても活用していない人(結構いるはずです)たちが集まって、自分の得意な分野で、紙媒体では採算に合わない書籍を翻訳出版していく。コアな読者を組合員にして、組合費で電子書籍の編集とHP運営や維持管理、営業などをしていけば、無理でしょうか? 

 まあ、組合形式が不可能なら、自分ひとりで個人出版社をやればいいのであって、1年に数冊、翻訳して、その中で1つぐらいヒットがあれば、どうにか維持できるのではないかと想像しているのですが、どなたか、この分野に詳しい方、アドバイスをお願いします。また、こんな本ならお金を出して読みたいというのがあれば、教えてください。