韓国のお寺には、供養館(コンヤンクァン)という食堂があります。入ってみると、中は昔の大学の学生食堂みたいです。食器兼用のお盆を持って、キムチ、ナムルなどのおかず、ご飯、お汁を取ります。豆腐の煮たものとか、大豆で作ったソーセージみたいなものも食べたことがあります。
韓国のお寺の食事で一番の驚きが、ニンニクを使っていないということ。ふつう、韓国料理といえばニンニクがつき物ですが、仏教の教えを守り、臭いのある野菜は使いません。その代わりに、生姜とか山椒とか使って、ビミョーな味を再現してくれます。口で説明するのも難しいですが、なんか普通のキムチと違うな、という感じです。言われてはじめて、そうだ、ニンニクがないのだ、と分かります。同行した韓国人も、まったく気がつかないで食べていました。
さて、重要な話をひとつ。この食堂、だれでも入れます。許可を取る必要もありません。お金を入れる箱が置いてあるお寺もありますが、まったくないところもあります。でも、ただで食べるのもなんですから、ちょっとはお布施をしましょう。
なお、僕の食べた中で一番美味しかったのは、海印寺。メニューも豊富で、味付けもなかなか。全羅南道の順天にある松広寺(ソングァンサ)は、もっと美味しいという話。今度機会を作って、ぜひ行ったみたいです。