韓国の<社会的経済>について、思いつくままに書いてみます。まず、ハンギョレ新聞に社会的経済のチームがあるので紹介しましょう。
"限りなくあふれ一瞬で消え去ってしまう情報が世界をおおっています。生活のためにスーパーを回り、インターネットやスマートフォンを駆使して信頼できる製品やサービスに出会うのはなかなか簡単ではありません。環境と生態系を考え、仕事を生み、商店街を守り、そして、子供たちの未来に責任を持つ企業の製品であれば信頼できるでしょう。
ハンギョレ新聞の社会的経済は、 生臭いお金の匂いが出る消費ではなく、爽やかな香りの消費を助けようとします。
決して変わらない価値、 ハンギョレ新聞の社会的経済は、皆さんとともに歩みます。
ハンギョレ社会的経済は、
- 社会的企業、村の企業、協同組合などの商品やサービスをご紹介します。
- 社会的経済に関するニュースやコラムを提供します 。
- 社会的経済のネットワークを作るために努力します。”
ハンギョレ新聞は、進歩的な新聞として日本でも知られていますが(最近日本語HPができました)、このような新聞が<社会的経済>を積極的に応援するというところに、韓国の<社会的経済>の社会的スタンスというものがわかるのではないかと思います。
ここで紹介されている<社会的企業>とは利益を経営者や株主に配当するのではなく社会に還元するという目的で作られた企業です。<村の企業>hは農村や漁村などで地域に根ざした企業で、たとえば味噌作りだったり、農村体験の民宿だったりが代表的な事例でしょう。<協同組合>は、最近法律が改正され、5名いれば作れるようになり、消費者共同組合や生産者組合などさまざまな協同組合が作られています。
このように羅列すると、日本にもあるものばかりでして、それほど珍しくはないと思います。では、このような社会的経済が韓国で注目されているのは、なぜでしょうか?
80年代から90年代にかけての軍事政権に反対し民主化を求める闘いのなかで、社会正義と公平な社会、そして分かち合うという価値観が多くの人たちに共有されたことが大きい思います。この中で宗教、特にキリスト教の果たす役割は、日本との大きな違いでしょう。同時に韓国の共同体意識が作用していると思います。これについては、明日書きましょう。