韓国雑記帳~韓国草の根塾&日韓環境情報センター&ジャパンフィルムプロジェクトブログ

韓国に暮らして30年。なぜか韓国、いまだに韓国、明日も韓国。2022年もよろしくお願いします。

瑞山磨崖三尊仏像

2008-05-19 04:03:15 | 韓国のお寺
 今まで行こう行こうと思いながら、行っていなかった<瑞山磨崖三尊仏像ソサンマエサンジョンブルサン>に行ってきました。
 感想は、やはりいいです。山の中にこんなに素晴らしい、というかかわいい仏像があるのが、すごいです。忠清南道の瑞山(ソサン)というところにあるのですが、この辺、思ったより山が多いのですよね。昔は中国との交流のルート上にあったそうです。とすると、こんな仏像、まだ発見されずに山の中に埋もれているのじゃないかな、そんな想像もしました。
 さて、磨崖三尊仏像ですが、残念でした。なんと補修工事中で、仏像の周りにパイプがずらり。説明を読むと、異質物を除去した後、崩れないように仏像の岩を固め(コーティングデモするのでしょうか?)、そのあと3Dスキャンをしてデータを集めるそうです。
 おかげで、仏像の写真は頭のところにパイプがあると言う、そんな写真になりました。でも、よかったですよ、この仏様。表情がなんともいえなく、魅力的です。微笑が暖かく、可愛らしいのです。もしかすると、日本人が持っている仏様に対するイメージと、当時の韓国人の持っていたイメージが、かなり違いがあったようなきがします。
 とにかく、この仏像は直接見てください。行きかたが分からなかったら、連絡ください。では、写してきた写真がありますので、ぜんぶアップします。ゆっくり、ご覧ください(でも、パイプが邪魔だな)




普願寺(ポウォンサ)

2008-05-17 03:57:40 | 韓国のお寺
 韓国のお寺は山奥にあるものが多いそうです。
 なぜかと言うと、高麗時代まで国の精神的な支柱であった仏教は、朝鮮時代になると国家から迫害されました。都市の中心にあった寺院は山奥へ追いやられてしまったからです。また、僧侶は強制的に世俗させられたり、ソウルなどの都市には入れなくなりました。
 迫害された結果、おおくの寺院は廃寺となって荒れ果ててしまったのです。
 
 

 
 
 忠清道にはそんな寺院の址が多くあるそうです。この普願寺(ポウォンサ)の址もそんな遺跡の一つです。もっと、寂しいところかと思っていましたが、違いました。
 発掘作業が行われ、調査も進んでいます。また、普願寺を復興するために若い住職が仮の建物で頑張っていました。ちょうど、お釈迦様の誕生日だったので、地域の信者の人が多く訪れ、お寺(といっても普通の民家に毛の生えた程度の仮の建物です)は賑やかでした。
 住職は、私たちに法鼓(太鼓)を叩いてみますかと言ってくれ、ひとりひとり叩かせてくれました。そのうえ、自らデモンストレーションまでしてくれて、驚きました。
 この暖かさというか、情というか、私たち一般人と僧侶の距離の近さに感動しました。こんなところも韓国のお寺のすばらしいところですね。


開心寺(ケシムサ)

2008-05-15 19:15:06 | 韓国のお寺
 お釈迦様の誕生日の4月8日、韓国では旧暦で祝うので今年は5月12日になりました。この日は韓国は国の定めた休日です。

 お寺の入口の一柱門

 この日、忠清南道の瑞山(ソサン)という地方にある開心寺に行ってきました。
このお寺は、「芸術新潮」でも大きく紹介されているので、知っている方もいらっしゃるでしょう。山の中の静かな小さなお寺なんですが、すごい人出でした。鐘を突くのにも列ができ、お釈迦様に甘茶(といっても水でした)をかけるのにも列ができ、お昼を食べるのにも列ができました。
 お昼は食べられませんでしたが、お餅はもらいました。こんなところも、韓国のお寺の魅力のひとつです。

 境内全体が提灯で飾られています。

 お釈迦様に甘茶をかける人たち

修徳寺(スドクサ)

2008-05-14 19:51:41 | 韓国のお寺
 お釈迦様の誕生日と言うことで、忠清南道のお寺に行ってきました。
 まず、最初に行ったのが、修徳寺(スドクサ)という古刹です。百済の末に崇済(スンジェ)というお坊さんが建てたと言う説がありますが、これを裏付ける資料はありません。
 また、海印寺(ヘインサ)・通度寺(トンドサ)・松広寺(ソングァンサ)・白羊寺(ペギャンサ)と並んで五大叢林(オデチョンリム)のひとつになっています。この叢林とは、僧侶の参禅修行の専門道場である<禅院>と経典の教育機関である<講院>、戒律の専門教育機関である<律院>などを揃えた寺院のことです。
 こんなふうに書くと、とても厳かで創元な雰囲気を想像してしまいますが、ぜんぜん違うんですね。
 まず、門前の食堂街から違います。まるで、お寺のテーマパーク(?)に来たような楽しい雰囲気。みんな楽しそうに食事をしたり、お酒を飲んだりしています。薬草や薬酒を売っている店やおみやげ物屋もあります。本当に韓国らしい光景を見ることができます。
 つぎに、お坊さんがフレンドリーなんですよね。見学していると、話しかけてきます。もちろん、お釈迦様の誕生日の前日でしたので、特別な<おもてなし>だったのかも知れません。でも、韓国のお寺には、僧侶と信者の関係に宗教的な信頼関係が、しっかりと根付いている気がしました。
 とにかく、今回、7~8箇所のお寺を見ましたが、本当にいい体験をしました。ひとつずつ紹介していきましょう。
 

甲寺 2

2008-04-24 07:15:17 | 韓国のお寺
 韓国のお寺には、供養館(コンヤンクァン)という食堂があります。入ってみると、中は昔の大学の学生食堂みたいです。食器兼用のお盆を持って、キムチ、ナムルなどのおかず、ご飯、お汁を取ります。豆腐の煮たものとか、大豆で作ったソーセージみたいなものも食べたことがあります。
 韓国のお寺の食事で一番の驚きが、ニンニクを使っていないということ。ふつう、韓国料理といえばニンニクがつき物ですが、仏教の教えを守り、臭いのある野菜は使いません。その代わりに、生姜とか山椒とか使って、ビミョーな味を再現してくれます。口で説明するのも難しいですが、なんか普通のキムチと違うな、という感じです。言われてはじめて、そうだ、ニンニクがないのだ、と分かります。同行した韓国人も、まったく気がつかないで食べていました。
 
 さて、重要な話をひとつ。この食堂、だれでも入れます。許可を取る必要もありません。お金を入れる箱が置いてあるお寺もありますが、まったくないところもあります。でも、ただで食べるのもなんですから、ちょっとはお布施をしましょう。
 なお、僕の食べた中で一番美味しかったのは、海印寺。メニューも豊富で、味付けもなかなか。全羅南道の順天にある松広寺(ソングァンサ)は、もっと美味しいという話。今度機会を作って、ぜひ行ったみたいです。

 

灌燭寺(カンチョクサ)の弥勒菩薩

2008-03-19 21:09:46 | 韓国のお寺
 忠清道、論山(ノンサン)の般若山に灌燭寺というお寺があります。 
 決して大きなお寺ではありませんが、ここの弥勒菩薩はとても有名です。写真を見れば分かりますが、日本人がイメージする仏像とかなり違う格好をしています。ユーモラスというか現代的というか、顔の形がとにかく変わっていますし、頭の部分が大きすぎて、全体のバランスも整っていません。 
 でも、この石造の前に立つと、いいんですね。不思議な魅力があります。暖かさというか、慈悲というか、心が軽くスーッとなる気分がしました。
 この石仏は韓国で最も大きなもので、次のような伝説もあります。

 昔、ある女が般若山で山菜取りをしていた時に赤ちゃんの泣き声を聞きました。不思議に思った女は、その泣き声の元に行ってみましたが、赤ちゃんの姿はなく、かわりに大きな岩が土から出ていました。この話を聞いた役人は、この岩で仏像を作るように命じ、それで作られた像が、この石造弥勒菩薩立像だということです。(韓国観光公社 HPより)

 このお寺の入り口の街道は桜並木で有名だとか。4月になれば、桜のトンネルを楽しむことができるそうです。

龍門寺(ヨンムンサ)

2008-03-02 19:21:50 | 韓国のお寺
ここも、僕のお気に入りのお寺です。
ソウルから南東の方向に、バスで1時間半ぐらいでしょうか。ヤンピョンというところにあります。バス停の周りには市場があり、おばちゃんたちが地べたに座って山菜や豆などを売っているし、その横には登山客や参拝客目当ての食堂があって、おいしい山菜料理やなべやパジョンなどが食べられます。
入場券(ほんとうは違うのですが、まあ入場券です)を買って中に入ると、小さな遊園地まであって、楽しくなります。そのまわりは、公園になっていて、すごくきれいになりました。
山門をくぐり、渓谷の脇の道を10分から15分ぐらい歩いていくと、そこが龍門寺。大きな木が目印です。

甲寺(カプサ)1

2008-02-20 17:50:51 | 韓国のお寺
韓国のお寺ではテンプルステイというお寺体験プログラムがあります。2002年の日韓ワールドカップをきっかけに出来たプログラムで、それまで信者しか泊まれなかったお寺に一般の人も泊まれるようにしたものです。
韓国全国で70箇所ぐらい実施されています。詳しくはテンプルステイ事務局のHPをどうぞ。(といっても韓国語ですが) http://www.templestay.com/
今まで4箇所ほど経験しましたが、最初に行ったところがこの甲寺(カプサ)です。参加者はわずか4名でしたが、指導役の居士(コサ:出家はしていませんが、修行をしている人)からいろいろ面白い話を聞いたりして、貴重な体験となりました。朝、4時に起きて、早朝のお勤め(読経)に出るのも、なかなか大変でしたが、いいものでした。 

海印寺2

2008-02-13 13:00:41 | 韓国のお寺
 海印寺(ヘインサ)の境内です。この日は特別な行事があったので、このあとお寺は人でいっぱいになりました。
 後ろに見えるのが掛仏(ケェブル)と言って、大きな布にかかれた仏様です。このような行事のとき利用します。いつもは本堂の仏像の後ろあたりに保管されています。僕も本物を見るのははじめてでした。
 忠清道の甲寺(カプサ)でテンプルステイをしたとき、本堂の仏像の後ろに回り、掛仏を屋外に持ち出し掛けるのに何人もの人手が必要だという説明を聞いたのを思い出しました。次は甲寺の掛仏を見たいですね。


浮石寺(フソクサ)

2008-02-10 10:21:33 | 韓国のお寺
 今まで韓国のお寺、30箇所ぐらいを歩き回りましたが、一番気に入っているお寺がここです。慶尚北道の栄州(ヨンジュ)というところにあるお寺です。
 韓国のお寺も日本のお寺と同じように、観光地になっているところもたくさんあります。門前には、食堂や旅館やおみやげ物屋が並ぶのも、まったくおなじですね。もちろん、食事の内容やみやげ物は韓国の伝統的なものが多いですから、観光地になっているお寺(韓国内では少し知られているお寺、文化財があるので入場料と取るところ)ではそんな風景を楽しむことができます。
 栄州の浮石寺(フソクサ)もそんなお寺です。僕が行ったときも、小学生の遠足の団体とぶつかり、境内はあっという間ににぎやかになりました。
 このお寺の建物は、階段のように削った緩やかな山の斜面にあります。本堂まで階段をかなり登らなくてはいけませんが、上から眺める景色は最高です。建物のひとつに梵鐘閣があります。ここには、太鼓、木魚(日本のとは形が違います)がつるされていますが、早朝と夕方の読経(お勤め)を始める前に、これらの太鼓と木魚をお坊さんたちが独特のリズムで叩きます。あたりがだんだん薄暗くなり、灰色の雲や遠くのかすんだ山をバックにして、太鼓を叩くお坊さんたちの姿がシルエットで浮かび上がります。まるで、パーカッションのステージを見ているみたいですが、心はだんだん落ち着いてくるのが分かります。とても、貴重な時間を体験しました。