この夏山形へ出かける予定が出来て、図書館で山形関係のガイドブックをあれこれ借りて、山形県って広いんだな~という第一印象。
丁度この本の裏表紙に出ていた南陽市というのが主な目的地ですが、
、
その上の「イザベラ・バードと東洋のアルカディア…」というのが目に留まり、
アルカディアって何だ?まあだいたいのニュアンスは分かるけど…。
そういえば時々覗きに行っていた「春さん」という方のブログにこのイザベラ・バードのことが載っていたな…。
と調べ始めて、図書館で下の2冊を借りました。
1878年(明治初期)に通訳を一人連れて日本の東北地方から北海道まで旅したイギリス人女性。
訪れた土地土地で妹に手紙を書いてそれをまとめたもの。(まだあまり読んでいないので)
左は完訳日本奥地紀行(金坂清則訳) 右は日本奥地紀行縮約版(ニーナ・ウェグナー英文リライト、牛原真弓訳)
どのくらいリライトしているかというと、横浜から北海道を回って函館に戻るまで左だと3巻あるのに右は一巻で終わり。また対訳なので見開きの右ページは英文。左が日本語。字も大きいし白紙部分も多い。一巻のページ数も少ない。
三分の一の、二分の一の…とざっと考えて多分一割くらいに縮約しているかな?どっちが読む元気が出るかというと縮約版かな…。
(完訳版) (縮約版)
どのくらい違うかというと、例えば新潟で、その土地のイギリス人の宣教師夫人とその娘(3歳)と街を散歩していると日本人が喜んでついてくる、娘も日本人になついている。「日本人は本当に子供好きなのです!」
と縮約版では5行で終わっている話が、完訳版だと11行。しかも「日本人は本当に子供好きではあるが、ヨーロッパ人の子供が日本人と一緒にいるのはあまり好ましいことではない。日本人はヨーロッパ人の子供の道徳を台無しにするし、噓をつくことを教えたりするためである。」と、全く『これは個人の感想です』と今なら下に注釈がつくようなことも書いてあったりします。
良いものは良いと書くけれど、歯に絹着せぬ感想。忖度無しの文章。明治初期のイギリス人から見た日本ですから。
他方縮約版の英文リライトをしたのは幼少期を日本で過ごしたアメリカ人で、現在ジャーナリストとして活躍している人らしい。2017年に出版された本です。
なお縮約版ではこの章は、子供好きなのです。で終わっていますが、完訳版では続けて新潟地方の気候を太平洋側の気候と比べて書いているし、この地域の人たちの冬の過ごし方とか、冬と夏の温度の違いとか、最後にこの場所の緯度がナポリより3度も南なのに!と終わっています。かなり詳しい。
彼女がここを通ったのは7月です。なぜこのように日本の気候や緯度等に詳しいのか疑問に思いました。
で、しょうがないので、この完訳版を訳した方の著書「イザベラバードと日本の旅」というのを図書館で予約しました。大体ぼんやり旅をしていたら、訪れた町の冬の気候とか太平洋側の気候と比べるとか緯度とか…私ならしないです(^^;)。
そして、春さんのブログにも載っていたコミックです。買ってみました。10巻もあるし、実は絵がちょっと派手で苦手な感じですが、とりあえずこれもゆっくり読んでみます。あの話を絵にしてみようというのがすごい。
一番上の旅行雑誌の写真、それらしく西洋の女性に蓑傘つけさせて雰囲気出してる…と思いましたが、実際にイザベラ・バードも雨の時にこのような恰好をしていたらしいです(絵がありました)。大体梅雨の時期に東北へ旅行したようです。そりゃ大変だ。
なお、アルカディアの件ですが、完訳版の注釈に詳しく載っていました。
ギリシャ神話とかかわりのある言葉で、牧歌的理想郷、楽園という意味。
米沢平野はまさしくエデンの園とも書かれていて、たくさんの作物果物を記述しています。
そういえば昔アルカディアというモロゾフのクッキーがありました。
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